意見交換掲示板過去発言No.0000-200708-21
>田口先生へ 「癲癇」 |
投稿日 2007年8月4日(土)11時05分 投稿者 プロキオン
私が小学生の頃、盲腸の手術で入院したことがありますが、その時の同室にとても悪戯のすぎる子がおりました。ちょっと、もてあまされるような子です。 その彼が、ある日、突然に癲癇発作を起こしまして、まだ小さかった私はずいぶんと驚いた記憶があります。病院の先生がやってきて「こんなもの浣腸すれば、すぐに直る」とおっしゃられて、看護婦(師)さんに指示していました。その言葉のとおりに、じきに彼も 元にもどり、私も恐がるようなことではなかったのだと感じました。 後年、その彼と中学でいっしょになりました。彼は1年上級でしたが、周囲から馬鹿にされている存在でした。それは、彼の出身した小学校から来た私の同級生達からも同じでした。おそらく、この癲癇発作があるので、彼は周囲から冷たい眼で見られ、差別的な扱いを受けていたのではないかと思います。「あいつは、馬鹿だから」というのが、よく口の端に登りましたが、癲癇をいたずらに恐がったり、患者の苦しみや悩みを理解できない者達は、単純にそう言ってしまうのではないでしょうか。 小さな頃からの周囲の態度が、彼を「もてあまされる子」にしてしまったのだなということのように思います。 先のレスで紹介した神経病セミナーの講師の先生も、この病気の研究をされているうちに、患者さん達の苦しみや悩みを耳にしていたからこそ、聴講生に向かって「太郎君の会」の話をされたのだと思います。 講師の先生の話から、私の体験にある彼だけの問題ではないのだなと思いました。 それ以降は、まず第一に飼い主さんに「いたずらに恐れる必要がないこと」「発作さえ、おきなければ、普通の子であること」を伝えるようにしています。なによりも、保護者である飼い主さんにこの病気と患者に対して偏見をもって欲しくないからです。 「発作の都度脳の破壊が進行する」、獣医師同士の話では、私もその表現は使用しますが、患者の飼い主さんに向かってであれば、直には言いません。オブラートに包むようにしています。 先達であるセミナーの講師の先生の教えは、よいことであり、かつ必用なことと納得していますので、その教えに従うように心がけています。 また、「太郎君の会」の話も、今回が初めてではありません。以前から、折りにふれて述べております。その意図をお汲み取り願えたらと思っています。
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