意見交換掲示板過去発言No.0000-200709-120
Re:猫コロナウィルス感染症(FCoV)猫感染症腹膜炎 |
投稿日 2007年9月18日(火)12時02分 投稿者 プロキオン
タイトルの意味は猫コロナウイルスに感染した猫における腹膜炎の発症という解釈でよろしいでしょうか? 猫コロナウイルス感染症ということだけですと、私は、これは下痢のウイルスというと解釈でおります。 投稿内容から解釈しますと、猫伝染性腹膜炎が発症して腹水の貯留が始まっているということのように受け取れました。 相手が猫伝染性腹膜炎(FIP)ということになりますと、予後は極めて悪いといわざるを得ません。この病気につきましては、市販の猫の飼育ガイドブックにおいても、ほとんどの本がとりあげているのではないかと思います。そのくらい猫にとっては由々しき病気であるということになります。 ワクチンによる予防法がない、確定診断ではなく総合診断となる、有効とされる治療法がないというように「ないないづくし」の感があります。 したがって、この病気の話となりますと、話がいたずらに多岐にわたってしまい複雑となってしまいかねませんので、一般の飼育書等に目を通されてから、ポイントを絞った相談をされた方がよろしいかと思います。 >このまま衰弱を待ったほうがよいのですか?腹水を抜いてあげたほうが良いのでしょうか? 衰弱を待つという考え方には賛成できかねますし、納得もしかねます。 腹水を抜くということについては、獣医師においても、賛成反対双方の意見があるのではないかと考えます。 私は内科的に抜くのであれば賛成であって、外科的に抜くのであれば反対です。でも、病気のステージが進行してしまって呼吸に悪影響があるようであれば、外科的に抜くことも検討します。 つまり、同じ人間においても答えは1つではないんです。 参考までに近々では、この掲示板でも8月10日付けでムギさんという方の「FIPの検査」という質問投稿があります。 これに対して、私が8月12日にレスしていて、さらに8月20日にムギさんから再質問があり、同日付けでレスしております。 その時の質問にあるFcOVとFIPVとの鑑別ができるか否かについてであれば、JVMという雑誌の本年9月号において、「この2つのウイルスを区別するin vitroでの明確な違いは見つかっていない」、という記述がありました。 このことは本来は、ムギさん宛てに述べることですが、FIPに関わる記述を検索した際にひっかかるように 今回のレスに併せて記載しておきます。 注:in vitroとは、「イン ビードロ」のことであって、硝子の中での事という意味です。硝子の中とは、すなわち実験器具の中では、実験的にはの意味となります。
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