意見交換掲示板過去発言No.0000-200710-176
Re:猫の予防接種について |
投稿日 2007年10月27日(土)12時07分 投稿者 プロキオン
>猫の予防接種には3種、5種、8種があり、3種で十分だと言われましたが、私には何が十分なのか良くわかりませんでした。 猫のワクチンは、 3種混合ワクチン:伝染性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、汎白血球減少症 4種混合 :伝染性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、汎白血球減少症、白血病 5種混合 :伝染性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、汎白血球減少症、白血病、クラミジア感染症状 7種混合 :伝染性鼻気管炎、カリシウイルス感染症(異なるウイルス株が3種類)、汎白血球減少症、白血病、クラミジア感染症 ということになりますが、対象としている疾病は白血病とクラミジア以外は必ず重なっていることが分かりますよね。白血病の場合は地域的な偏りがあるという意味でしょうし、クラミジアについては、ワクチンで予防しなくても治療だけでも可能という意味なのではないでしょうか? 普通に感染する機会が多いのは、この3つの疾病であろうということを言いたかったのではないでしょうか? もっとも、それで充分であるかどうかは、個別環境や地域事情によって違ってくることになります。当然といえば当然のことですね。 カリシウイルスに関しては、ときおり、ワクチンがまったく予防効果を発揮していない感染があります。もとより、このカリシウイルスのワクチンは感染を未然に防止できるというタイプのワクチンではなく、感染しても重篤ならないですむ全身症状にまで及ばないというワクチンなのですが、私個人の経験でもワクチン接種済みの猫が重篤な症状となったことがあります。同じときに同じようにワクチン済みの猫でこの疾病で困惑しておられた先生とネットで話しをする機会がありました。 このウイルスは、どうも野外では感染したウイルスの株の差異で効果に差が生じるようなのです。そのためにあるメーカーでは国内で分離された3種類のカリシウイルスを用いて広い範囲のカリシウイルスに対抗できるようにしたワクチンを製造したということになります。 >また、予防接種の金額は病院毎に違うようですが、ワクチン自体が何か違うのですか?? メーカーによってワクチン製造に用いているウイルス株に相違はありますが、対象となっている疾病が同じである限り、同じワクチンということになります。 それぞれのワクチンメーカーに言わせれば、各々の製品に違いはあるのでしょうが、獣医師や飼い主から見ると、そこまで大きな差があるとも思えません。 ワクチン接種代金については、私なんかはバラバラであることの方が飼い主さんからの信頼が得られないと考えておりますが(同じワクチンなら同じ料金であることの方が妥当であろうという意味です)、世の中にはそれは談合に当たるという考えもありますし、他所の病院よりも低料金で大勢に接種して欲しいという考えの病院もあります。 現行では料金を統一してはならないということになっていますので、金額に差があるのはいたし方ありません。
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