意見交換掲示板過去発言No.0000-200712-20
Re:子猫のFIV(猫免疫不全ウイルス)について |
投稿日 2007年12月4日(火)11時00分 投稿者 プロキオン
>今現在生後3ヶ月ほど。今検査してもまた反応してしまうでしょうか? この月齢であればおそらく感染ではなく、母猫からの移行抗体であろうと考えられます。 分娩時における感染である可能性よりも、移行抗体である可能性の方がはるかに高いと思われます。 私たちは通常の感染症の場合、感染してから抗体の産生までの期間をおよそ2週間くらいの時間と教えられてきていますが、どうもFIVの場合では、1〜2ヶ月くらいの期間を必要とするようです。 このため、抗体検査では、感染していても「偽陰性」となる期間が他の疾病より長くなる可能性があり、このようなケースでは、6〜8週間後の再検査が推奨されています。 つまり、今回のような幼体の猫における「抗体陽性」は、それだけ母猫の状況を考慮しなくてはならないということになります。 生後6ヶ月未満の猫が「抗体陽性」と判定された場合とういのは、移行抗体が消失する頃合を見計らっても再検査が必要とされています。理論的には、生後12〜16週齢以降になるのを待ってということになのですが、実際には間違いのないようにというところから、生後6ヶ月齢以上に成長してからということになっております。 >混合ワクチンを接種するときの目安で生後45日頃と聞きますが、母親からの抗体はいつ頃無くなるものなのでしょうか? 私は生後45日齢でのワクチン接種は早いと思っています。移行抗体は、早くても12週齢くらいまでは、残っていると考えられていますので。 >FIVが陽性だった子猫にワクチンを打ったら陰性になったという話も聞きました、本当でしょうか? これは、FIVのワクチンを接種したらという質問でしょうか? 日本では、まだ製造も認可もされていないはずですが、海外のワクチンということになるのかな? でも、これは検査を混乱させるだけのことですね。現在の検査技術では、ワクチン抗体と自然抗体とを区別することのできるだけの技術は存在していません。検査結果を混乱させるだけのことにしかなりませんから、猫自身にとっては意味のないことです。 なによりも、ワクチンを接種するのですから、FIVの抗体は陽性でありつづけるということになるだけです。 「FIV以外のワクチンを接種したら」という意味の場合でしたら、これは、たまたま移行抗体が消失するのに一致していたということになると考えられます。 ワクチンを接種することによって、抗原であるFIVウイルスが消えたということを意味しているわけではありません。ウイルスが消えるのであれば、それは治療効果があったということになりますが、そのような報告はありませんし、たとえ、ウイルスが消えても産生された抗体は残存して残ります。 おそらく、母猫からの移行抗体が原因でしょうから、成長するのを待って再検査したらよいと思います。
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