意見交換掲示板過去発言No.0000-200801-56
Re:ダニの疥癬について |
投稿日 2008年1月11日(金)15時46分 投稿者 プロキオン
猫の疾病がヒゼンダニによるものと仮定した話として、最初の1回の検査で必ずしもダニが検出されるとは限りません。 これは、ダニが皮膚の内部に侵入して生息しているからです。外観がいかにひどくても、そこは火事の焼け跡であって、すでに放火犯はより深部にひそんでしまっているからです。このため、ダニの虫体を検出するつもりがあるのであれば、相当に皮膚を掻き取らなくてはなりません。このため、ダニを疑うのであれば、1回の検出(−)は、ダニ陰性を意味することにはならないのです。 臨床家に求められるのは、疥癬であるか否かではなく、今の症状の改善が優先されますので、ヒゼンダニの検出の有無にかかわらず、ダニ駆除の処置をとるということが多いように考えられます。 また、アレルギーを疑うケースというのは、当然、何のアレルギーであるか、アレルゲン物質は何であるのかが念頭にないとなりません。ステロイドを使用して症状を抑え込むということは、患者にとってはありがたいことなのですが、何がなんだか分からないのにステロイドだけを服用し続けるということも長期的な観点からは望ましいとも言えません。 今回のケースでは、期間的にはさほどのステロイドの副作用が出現するほどの期間とも思えませんので、その種類と服用量とともに、服用させたというダニの駆除薬のことも併せて、説明を受けていただかないとなりません。 摘要された薬剤の種類と薬用量が適切なものであれば、その次に患者である猫の方に何か別の問題が潜んでいるのか調べないとなりませんね。
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |