獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200805-77

Re:未だ眼振中・・・。
投稿日 2008年5月9日(金)00時20分 投稿者 チーママ

残念ながら獣医師ではありませんので何とも言えませんが、私なら規定どおり1クール(4週間)はフェンベンノ投与をお願いすると思います。同時に神経症状があり、副作用が見られない限りはステロイドの投与も続けると思います。

きっとかかりつけの先生は「1週間投与して症状が改善しないなら、この先もダメだろうし、EZじゃないかもしれない」とお考えなのではないでしょうか。
でも万が一EZであった場合には、駆虫が中途半端で終わるわけですから、再度大きな発症が起こる可能性があります。

この際EZの駆虫と神経損傷とは切り離してお考えになると、分かりやすいかと思います。
フェンベンはあくまでも駆虫が目的であって、症状の改善は副次効果のようなものだと思っています。ですからフェンベンが効いたからと言って、症状が必ず改善するものでもありませんし、完治するのはよほど早期対処ができた時かと思います。
正直言いまして、何度か「神経症状は、発症して3日以内の治療が分かれ目です」と聞いております。3日以内にフェンベンやステロイドなどの投与をすれば、比較的に反応がよく、かなりの回復が期待できる。しかし日がたつほど症状の回復は難しくなる、と言うわけです。一度壊れた神経は、元には戻らない事が多いのですね。ただ受けた損傷の程度により、回復状況が違ってくるのだと思います。
でも反応が悪いからと言って、駆虫を途中で止めてしまえば、EZの活動が活発になり、それに伴い神経の損傷は進むばかりなのではないでしょうか。またいずれは腎臓や肝臓を悪くしたり、最悪脳の中枢をやられれば、劇症になって命に関わります。少なくともそうした事体を阻止する為に、駆虫は必要だと思います。
一番良いのは、EZの抗体検査をする事です。抗体値が有意に高ければ、原因となるEZの駆虫は必要だと思います。
獣医さんの中には「抗体検査をしても、それが過去のものであり、現在の症状には関係がないかもしれない」とお考えになる方もいるようですが、少なくとも顕著な症状があり(体が横に流れるのも眼振と同じ神経損傷です)、かつ抗体値が高いなら「現在活動中」と考えて治療した方が良いと思うのですが・・・。このあたりは獣医さんごとに経験とお考えが違いますので、何とも言えません。

またステロイドの投与中は多少神経症状が軽くなったのであれば、パスツレラではないのでしょうから、食欲不振がおこったり下痢をしたりしない限り、血液検査もしながら投与を続けて、神経の保護に努めても良い気がしますが。

いずれにせよ、私は専門家ではありませんので、適切な指示が出来るものではありません。ですから、直接EZ研究会にご相談してはどうでしょう。
またEZは、未だ完全な解明も対処も出来ていませんので、コレが正解と言うものがありません。フェンベンとステロイドの投与も、「投与したら改善した報告があり、経験的にも一番期待できる治療法」とEZに熱心な先生方が言うだけです。ですから、かかりつけの先生のお考えもよくよく聞いて、判断なさるとよろしいかと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。

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