獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200806-127

Re:猫エイズのネコと家のネコ
投稿日 2008年6月23日(月)17時26分 投稿者 プロキオン

獣医学的な見地からみても、八方塞りということではないかもしれませんね。以下に昨年の猫掲示板の記事を引っ張り出しておきます。
生後2ヶ月程度の猫であれば、FIVの真の感染ではない可能性があります。また、FIVに罹患している猫でも何年も発症せずに生きている猫は昨今では珍しくありません。今の時点であきらめてしまうのは、早計のように思います。ある程度の時期がすぎてからの再検査の必要性があるでしょう。


ーーーここからーーー

Re:猫白血病と猫エイズについて
投稿日 2007年9月19日(水)15時19分 投稿者 プロキオン

猫白血病(FeLV)と俗称猫エイズ(FIV)の検査においては、大きな相違点があります。
FeLVにおいては、直接ウイルスがいるか否かを検査します。FIVでは、ウイルスに感染してつくられた免疫抗体を検出するという検査です。

これがどういことかと言いますと、FeLVにおいては、採血した血液の中にウイルスが出ていないと感染した経過があっても「陽性」と判定されないことがあることになります。また、この病気の特徴として一度陽性と判定された猫でも、再検査で「陰性」の判定に変わることもあるということになります。この検査で分かることは、採血した時点でウイルスが血液中に存在しているかどうかということだけです。

一方、FIVについては、こちらは抗体の検出となりますので、ウイルスに感染していても抗体が造られるまでの期間は、「陰性」の判定となり実際の感染陽性が見逃される期間が存在することになります。もっとも、この期間はそれほど長くないので、あまり実害ということは起きてはいないようですが。
一度造られるようになった抗体は、量の変動はありますが、この検査で検出されるレベルの量であれば相当に期間に亘って維持されることとなります。ここにもう一つの問題があります。それは、感染している母猫から生まれた子猫の場合です。母猫から移行抗体としてこの抗体を貰ってきてしまう場合と分娩の際の産道感染や新生児の時の母猫との接触で感染したのかが区別がつきがたいということが起きてしまう可能性があるのです。

どちらの検査においても一度きりの検査で「陰性」「陽性」が見極めることができないケースがあるということになりますが、ウイルスを検出すると抗体を検出するということの意味には、まったく別の意味があることを理解しておいて頂かないとなりません。
このことをまったく逆に理解していた方がおられまして、説明するのに苦労したことがあります。

生後4ヶ月になっていれば、そうそう判断に苦しむような判定結果にはならないように思います。

ーーーここまでーーー

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。