獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200806-61

Re:犬の予防接種について・・・
投稿日 2008年6月11日(水)17時07分 投稿者 だぬどん

これはある意味、とても難しい質問です。
主治医の先生がはっきり答えないのも無理はないかも。
以下は「正しい答」ではなく、あくまで「考えるためのいくつかのヒント」です。

・基本的には、一生打ったほうがいいです。何故かというと、年をとると免疫力が下がり、むしろ伝染病にかかりやすくなってしまうからです。これは、人間でいえば「年寄りこそインフルエンザのワクチンを打ったほうがいい」みたいな感覚です。実際に、老齢犬のテンパーは何例か診たことがあります。
・一方で、ワクチンには副作用の問題が常につきまといます。正確な統計は知りませんが、高齢になるとワクチンの副作用等の危険性も高まるように感じます。そのため、高齢犬については、飼い主さんとよく話し合った上で2〜3年に一度の接種にしたりすることもあります。悲しいことに、犬猫用のワクチンはヒト用に比べはるかに副作用の発生率が高いので、この辺が難しい問題です。
・一番確実なのは、毎年ワクチンを打つ代わりに、毎年血液検査を行ってワクチンの効果が持続しているか確認することです。抗体価が下がっていて、予防が不十分になる可能性があるときのみ追加接種を行います。この方法だと、ワクチンを打つ回数を最小限に減らすことができます。ただし、この方法は毎年ワクチンを打つよりもずっとお金がかかります。
・ペットホテルや美容室は、毎年のワクチン接種を受け入れ条件にしているところが結構あります。むしろ、そういう店のほうがやりっぱなしの店より信頼できます。なので、毎年ワクチンを打たない場合、そういう店が使えなくなる可能性があります。これは「仕方がないこと」と割り切らなくてはなりません。

みたいなことを、私自身がいつも考え、悩み、飼い主さんたちと話し合っています。
ご参考までに。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。