獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200807-44

Re:Re:Re:パスツレラ症のうさぎ
投稿日 2008年7月5日(土)09時06分 投稿者 だぬどん

斜頸とエンセファリトゾーンの関係についてですが、
一昨年秋のDrローゼンタールの講演は、自分たちにとってかなりショックなものでした。

正確に言うと、博士は「斜頸はエンセファリトゾーンでは起きない」と断言されました。
そして、「エンセファリトゾーンに対する駆虫薬で治ったケースもあるが」
という質問に対して、
「斜頸は何もしなくても治るケースがある。
駆虫薬が効いたようにみえたのは、実はそういうケースではないか」
と答えられたのです。
(念のためフォローすると、博士は「エンセファはどうでもいい」と言ってるのではなく、
「斜頸以外の神経症状を起こすことはあるが、斜頸は起こさない」と言われています)

本当のところどうなのか、実験などできちんと確かめるのは、開業医では難しいです。
もっとも、「エンセファリトゾーンで斜頸が起きる」という話そのものも、
今思えば自分で確かめたわけでなくて、情報として仕入れただけでした。
正直、今少々混乱していて、今後斜頸のウサギがきたときどう対処すべきか、
迷いが生じています。

多少専門的な話をなぜここであえてするかというと、これ、
飼い主さんたちにも関係のある話だと思うからです。
というのも、現時点では「エンセファを知ってて、
ちゃんと駆虫薬を出してくれるのがいいウサギ獣医」みたいな雰囲気があります。
なので、そういう情報にあまり固執すると、最新情報をきちんと勉強して
「エンセファの駆虫は必要ありません」といってる獣医師が、
「あのひとはうさぎを勉強してない」と逆に言われる可能性もあります。

特に最近の飼い主さんは、ネットで知った情報をものすごく信じているケースが多く、
「やや不正確な情報です」、「それは多少古い情報ですね」といっても
聞いてくれないケースが結構あるのです。
不思議なことに、目の前の獣医師が言っていることよりも、
昨日ネットで読んだソースの不確かな情報を信用してるんです(汗)。

斜頸とエンセファの関係については、正直もう少々様子見かな、と思いますが、
一般論として、医学は日々進歩(変化)します。
自分の常識が永遠に世界の常識とは思わないほうがいい、
と、自戒をこめて申し上げておきたいと思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。