意見交換掲示板過去発言No.0000-200809-6
Re:Re:Re:犬への抗アレルギー剤投与で |
投稿日 2008年9月3日(水)00時48分 投稿者 田口正行
タベジール(フマル酸クレマスチン)は、犬での薬容量がきちんと設定されている(おそらく唯一の)抗ヒスタミン剤です。 他にも塩酸ヒドロキシジンなど、獣医療で比較的多く使用されている薬剤も在りますが、 成績がきちんと出ている点で、安全性が高いと認識されています。 抗ヒスタミン剤での緑内障についてですが、緑内障を起こしている患者さん(ヒト)では症状の悪化が起こりえるようです(抗コリン作用)が、緑内障を誘発するという記載はありません(ヒト、犬)。 例えば、アレルギー疾患などで使用されるプレドニゾロンでは、能書に緑内障を起こしうるとの記載がしっかりと載せられていることを考えても、タベジールでの緑内障の発症はあまり心配されないでもかまわないと思います。 むしろ、ステロイドを長期間使わなければ症状を抑えられない場合の方が、治療薬による副作用が心配だと思います。 最後になりますが、ヒトの移植医療や犬のアレルギー治療などで用いられているシクロスポリンには、悪性腫瘍の発生率を上げる可能性があります。 けれども、例えば腎移植をしたヒトが、術後にこの薬剤を使い続けますが、これはこの薬剤を使ってガンで死ぬよりも、移植した腎臓がだめになる方が問題が大きいからです。 将来に起こり得るリスクを避けることは確かに大切だと思います。 でも、他の治療法や無治療を選択された場合のリスクにも考慮するべき問題はあると思います。
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