獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200810-95

Re:猫エイズの陰転について。
投稿日 2008年10月23日(木)12時01分 投稿者 プロキオン

現在生後二ヶ月くらいの子猫がFIV検査で陽性に出たということですね。この場合でしたら、母猫からの移行抗体が検査に反応した可能性もありますので、ただちに「真の陽性」とは受け取らなくてもよいでしょう。おおせのとおり生後半年くらいを待って、再検査するという方がよいと思います。判断はそれからになります。

>検査をして貰った獣医さんに話したところ、白血病の場合は陰転する可能性はあるが
エイズの場合は変わることは無いと言われてしまったのですがどちらが正しいのでしょうか。

白血病はウイルスを直接検出する検査ですので、ウイルスが血液中にいないときには「陰性」という判定にもなりますし、一時的に血液中からいなくなれば、「陽性」であった判定も「見かけ上の陰性」になることもあります。
これに対してFIVの検査は抗体を検出するので、一端「陽性」になると陰性に転じる事はないと理解されています。
しかし、子猫がの検査においては、母猫からの移行抗体を検出してしまうことがありますので、子猫自体は本当は「陰性」であっても「見かけ上の陽性」という検査結果がでることもあります。自分自身の抗体は陰性であっても、母猫からもらいうけた抗体が反応しているということですね。このようなケースにおける「見かけ上の陽性」であれば、検査結果が「陰転」することはあります。ただ、このようなケースでは子猫自身の抗体は、ずっと陰性であるということになります。

>また、陰転する可能性がある場合、確率的にはどれぐらいでしょうか。

これは確率の問題ではありません。母猫が感染猫であるかどうかということです。陽性の母猫から生まれた子猫であれば、高くなってしまいますし、母猫が陰性であれば、そのような現象は生じないことになります。

>最近、猫エイズのワクチンが日本でも使えるようになったそうですが安全性や副作用はどのようなモノがあるのでしょうか。

副作用の発現率はメーカーのリーフレットを見ますと、かなり高いようです。また、どの程度の有効性があるかということになると、もう少し時間が必要かと考えています。
答えにはなっていないと思いますが、必要度と緊急性との兼ね合いということになると思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。