意見交換掲示板過去発言No.0000-200811-24
Re3:猫の破れた皮膚について |
投稿日 2008年11月6日(木)12時53分 投稿者 だぬどん
創傷の湿潤療法は、理論的にすぐれていて、とても魅力的な治療法であり、 心ある獣医師はみな導入を試みていると思います。 ただ、実際にやってみると、なかなか教科書通りにはいかず、 実に見事に劇的に良くなることもあれば、 かなりこじれて相当長い期間四苦八苦するケースもあります (だいたいその両極端のどっちかになるような気がします)。 で、短気をおこして「こんなやり方、やっぱダメだ!」と 旧来の方法に戻ってしまう先生もおられます。 多くは、旧来の方法も一部取り入れながら、 先生ごとに独自のノウハウを作り上げていきます。 消毒液にしても、やり始めのころは「絶対使うべきでない!」と 原理原則に基づいて頑張ってみるのですが、現実は理屈とは違うため、 「まあ、人間と違って、犬猫だと、ケースバイケースで使うのもありかな」 というくらいの柔軟性は必要になってきます (私自身は、最近ほとんど使いませんが)。 簡単に治るケースならよいのですが、今回のようにこじれてしまったケースは、 正直素人の手に負えるものではないと私は思います。 一発で治るものなら、すでにこれまでの治療で治っているでしょう。 そうでない場合は、かなりの試行錯誤が必要になることもしばしばです。 手術をしたが開いてしまった。 問題は何だったのか。治療方法?ネコの性格?飼養管理? じゃあ次は何を考え、どうしたらよいのか。 「試行錯誤」というのは、積み重ねが必要ですから、 あまりあちこちの獣医師を転々としてしまうと、 いちいち試行錯誤そのものをやり直さなければならないかもしれません。 治療費の問題も重要ですが、ただ、現状のこじれた状態で 「その方法だと100%治りますか?」と聞かれれば、 「やってみないとわかりません」としか答えようがありません。 むしろそう答える獣医師のほうが良心的だと思います。 それじゃだめとなるともう手詰まりです。 黒猫さんも、かなりてんぱっているようですが、ちょい立ち止まって深呼吸し、 もういちど柔軟な姿勢と思考法を取り戻す必要があるよう感じます。 相手は生き物なので、そうそう思った通りにはならないです。
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |