意見交換掲示板過去発言No.0000-200811-52
Re:うさぎの眼窩膿瘍について |
投稿日 2008年11月14日(金)14時50分 投稿者 プロキオン
他の先生は、どう思われるかとの問いでしたが、お返事がないようですね。私もとくに意見はありません、主治医を信頼されているとのことですし、飼い主さんからの要望で投薬している医薬品を変更したのであれば、それで効果が出てくるか確認するしかないでしょう。 >前は膠着状態だったのが一昨日から瞬膜が赤く腫れ片方の目からも涙が出て目の周りは 痛々しいです 今日も病院に行きましたがもう少し目が飛び出せば眼球温存で切開もしくは眼球摘出して 切開できるし このまま投与を続けて目がもとの位置に戻るかもしれないといわれました 私が気になったのは、こちらの部分でして、ウサギの眼窩下膿瘍のケースですと、眼球奥のリンパ組織が膿瘍化して眼球が押し出されてきていると考えられます。本来、眼球炎とは異なるものなのですが、角膜や結膜が乾燥から炎症を生じてきます。そして、角膜炎や角膜潰瘍に至ることも多く、眼球へ連絡している視神経も伸張されて、そちらからも視力に障害がおきてくるようにもなります。 そして、膿瘍は切開できるできないに関わらず、いずれ自壊して排膿が始まるのではないかと思います。これは、眼窩下膿瘍に限らず、他の部位での膿瘍でも同様です。 つまり、膿瘍であれば、抗生物質と消炎剤の服用で治療するよりも、切開排膿して洗浄・消毒する方が話が早いですし、周囲の組織に与える影響も軽微ですませることになるはずです。 問題は、眼窩の奥に病巣が存在するためにメスを入れるには、少しばかり勇気を必要としますし、それにともなう技量も不可欠であると言えます。事前にレントゲンをさまざまな角度で撮影しておいたり、メスではなく注射針の太めのゲージを用いる等で対応することがよいように思います。 膿瘍が成熟していれば針でも排膿できます、成熟していなければ、大目の出血となります。したがいまして、患者とその病巣の観察が不可欠であって、診察していないものには、どちらが良いのかという判断はできませんし、してはならないでしょう。 また、抗生物質と消炎剤で元の位置に復するようであれば、もしかしたら、まだ膿瘍化しておらず、リンパ組織が腫大しているだけなのかもしれませんね。こちらも診察していないので、なんとも言えないところです。 ただし、結膜炎や角膜炎だけでなく眼球炎にまで進行していたら、視力はあまり期待されない方がよいのかもしれません。以上は一般論として述べました。
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