意見交換掲示板過去発言No.0000-200901-10
Re:ミニブタの尿酸性化剤 |
投稿日 2009年1月7日(水)11時32分 投稿者 プロキオン
私が30年前に初めて書いた病性鑑定書が「豚の尿石症」の症例でした。鑑定書を書くにあったって、先輩が「牛に比較して豚にはないように思われているが、豚にもちゃんとあるんだよ」と言って教えてくれた記述が大宮家畜保健衛生所に当時在籍されている方が書かれた報告でした。 原因となる成分は、多くの場合が炭酸カルシウムであり、それ以外では、リン酸カルシウム、三価のリン酸塩、尿酸塩というようなことであり、とくに豚だから特別な傾向があるということではないようです。 と畜場おける調査では、雄畜の30、7%、雌畜で14、5%、去勢雄で11、5%(100%になりませんが、原著のまま転載しています)となっております。 本来的には、去勢雄でこそ、もっとあってしかるべきところなのですが、肉豚の寿命ということになると約半年ですから、膀胱結石が形成される前に出荷となっているためではないかと考えられます。 この点はひじょうに重要であり、肥育のためのグレーンフィーデングが高カロリーの穀物食が与えている影響が多大であると思います。 尿の酸化剤というのも豚だから効果が無いというのではなく、バランスとして飼料の与える影響に完全に負けているのではないかと考えています。つまり量的に追いつかないということですね。 別に豚に限らず、牛でも犬や猫・兎においても食餌を抜きにして薬やサプリメントでのコントロールというのは考えがたいところです。飼料設計を含めての飼育環境の改善が本筋として欠かせないと考えられますし、それこそが本道ではないかと思います。 豚の採血は家畜保健衛生所の獣医師なら慣れておりますし、飼料の分析であれば各県に肥飼料検査所が存在しています。そのような機関と相談されて協力を仰いでいかれるのがよろしいかと思います。 豚にどのような餌を与えたらよいかということになると、街の臨床医の守備範囲から逸脱していると思います。すなわち、市販の餌でどれが良いというような簡単な話ではなく、今給餌できる餌の成分の中から問題の少ない成分のもので配合を変更していくということになるのではないかと思います。そういう事を相談するための機関が各県にあるわけですから、そちらを活用されていくのが早道かと思います。
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