意見交換掲示板過去発言No.0000-200906-64
Re:動物と人・獣医師とのトラブル回避の方法 |
投稿日 2009年6月23日(火)11時04分 投稿者 プロキオン
>日本の獣医さんのほとんどの方が獣医師会という会によって本当の意見が発せない部分があることも知りました。 これが一番の誤解であり、獣医師と飼い主さんとですれ違いが生じるおおきな要因ですね。 別段、獣医師会が会員に余計なことを言うななどと圧力をかけてくることはありません。 逆に会員が裁判に訴えられたからと言って守ってくれるわけでもありません。 獣医師同士で庇いあうという発想を持ち出してしまう事が、獣医師からみるとすでに身構えさせてしまうというか、かかわらない方がよさそうだと判断させてしまうことになってしまっています。 ミスの証明というのが、そもそも不可能なのです。同じ犬なり猫なりでも疾病とその病勢とによって、一つとして同じものはありません。ここでこうしていれば助かったかもしれないと仮説をたてたところで、同じ犬や同じ猫が用意できるわけではありませんし、その病勢に至っては、コントロールしようもありませんし、そんな実験をすることの方が私には懐疑的であり、そもそもやって良い事なのかと思います。 動物は器械ではありませんから、ミスを証明するための再現試験が不可能なのです、器械と同一に考えることが私にはできかねます。 科学的な検証ができずに、飼い主さんの話しを聞いて、あれこれと想像するところ憶測でものを言うことも内密な話としてはできますが、それも一方的な話を聞いての事にしか過ぎません。公平中立とは言えないでしょう。 訴訟を念頭においてのこととなれば、それまで雄弁だった者が急に非協力的になることは、むしろ当然の流れかと考えられます。それを、獣医師会から圧力があった言い逃れするのも卑怯だと思いますし、圧力があったのに違いないと誤解するのも早計にすぎます。 要は、無責任な立場(匿名)なら、憶測で意見が言えるが、面倒なことには巻き込まれたくないということなのだと私は思います。ですから、匿名の獣医師を用意するという構想であれば、今回の考えは意味を成さないと私は考えます。 私達、獣医師も別の獣医師の技量は、傍で診察の様子や手術の手際を見てみないと本当のところはわかりません。それでも友人づきあいをするという場合は、その獣医師の人柄でお付き合いしています。ですから、当然、大口をたたく者とか、価格競争をしかけてくるような者というのは、評判がよろしくありません。 そのような病院で何かあれば、それはもうさまざまな点であれもこれも悪く言われるのは想像に難くありません。でも、実際のところ、何がどうだったのかは、分からないのです。評価機関をつくろうとするのであれば、そういう問題からも独立していないとなりませんし、それこそ、常日頃の感情とは切り離して問題に関わることができる者でないとなりませんし、至極当然なこととして、顔の見えない人間が評価してはならないでしょう。なによりもまず第一に評価する側の人間の顔が見えていて、誰からも信用されている必要があります、そうでなければただの悪口の吹き溜まりになってしまいかねません、参考となる意見や見解は、逆に集まらなくなってしまいます。 この掲示板でも 死因を知りたいという書き込みは頻繁にありますが、どこの誰かもわからない獣医師を庇わなくてはならない義理はありません。 本当の事は当事者にしかわかりません。分からないのに一方的な当て推量を述べてしまうこともまた罪な事です。こちらの誤解や憶測から誤った見解を飼い主さんに与えてしまう事の方が無責任なことだと考えています。 それを「獣医師同士が庇いあっている」と受け取ってしまわれる方も まだまだ多いように感じています。残念ながら、獣医師会にはそれほどの力はないですよ。
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