意見交換掲示板過去発言No.0000-200908-6
Re:ニキビダニ |
投稿日 2009年8月3日(月)10時50分 投稿者 プロキオン
結論から言いますと、だぬどん先生と同じです。 ニキビダニの感染症では、子犬とか老犬においては重篤な症状となることがありますが、それはこれら年齢の犬において免疫状態がしっかりとしていないことに基因しています。 子犬であれば、免疫力がまだ充分になっていない、老犬であれば、免疫力の低下があるということになります。 つまり、患者である犬自身がなんらかの免疫抑制状態になっているということであれば、治療してもなかなか改善されないというケースは考えられないことでもありません。 十年以上も前になりますでしょうか、タヌキの疥癬症が流行したことがあり、治療の甲斐なく死んでいくという症例が相次ぎ、新聞に掲載されたことがあります。この時のケースではどうも野生のタヌキの間でジステンパーが流行していたのではないかと考察されていました。 ( 疥癬とニキビダニは、ひじょうに近縁なダニです。また、ジステンパーは免疫抑制を引き起こす病気です。 ) タローさんの犬は5歳のシーズーということであり、タローさん御自身が驚いておられるくらいですから、当時のタヌキの疥癬における状態とはまったく異なった状態なのではないかと考えられます。 ニキビダニにしても、疥癬にしても普通に私達が目にするレベルのものであれば、治療は可能だと思っております。飼育されている犬であれば、瀕死期となって容易に捕獲されてしまうタヌキと同じ状態までに、疾病の進行が放置されているということは、まずありえないことでしょう。 全身性ということですので、軽症ではないのかもしれませんが、治療範囲ではないかと考えられますし、まずは治療してみてから治る治らないの判断をするべきではないかと私は思います。 なお、ニキビダニは犬だけの話ではなく人間にも存在しております。人間も含めて、さまざまな動物において固有のニキビダニが存在していて、人間に対してであれば、犬のニキビダニよりも人間のニキビダニの方が感染しやすいと言えます。 ただ、異なる動物(人間と犬)における感染というのも可能性0%というのではありませんから、飼い主さんに注意を促しておくということはあっても良いことかもしれません。
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