意見交換掲示板過去発言No.0000-201003-23
Re:母犬のお散歩について |
投稿日 2010年3月16日(火)12時19分 投稿者 プロキオン
>一番接している母犬は外から菌やウィルスを持ち込んでしまうので離乳が完了して別々に暮らせるまで散歩は出てはいけないと言われました。 主治医の意見と異なる見解を述べるというのは、本来はマナー違反とも言えるのですが、今回はちょっと。 子犬の感染防御というか、免疫はまずもって母犬に依存しています。母犬から貰う初乳を介して母親の持っていた免疫を譲り受けるわけです。そして、初乳由来の移行性免疫が徐々に失われていくのが2〜3ヶ月くらいの時期であり、その時期に合わせて子犬にもワクチン接種が必要となってきます。 つまり、離乳の頃までは母犬から貰った免疫でまもられているわけであって、それ以前にワクチンを接種してもワクチン免疫は獲得できません。子犬に早期にワクチンを接種しても免疫を獲得する事ができずにワクチンブレイクという失敗が起きるのは、この母犬由来の移行性免疫が存在するからというのが大きな要因となっています。 質問に合わせてのお話となりますと、生まれてきた子犬達も今現在は、この母親譲りの免疫で守られているということになります。 したがいまして、特別な配慮をなさらなくても日常の生活は送る事ができるはずです。 特別な配慮が必要となる場合としては、母犬が通常レベルの免疫をもっていないとか、初乳の授乳がなされていない、母犬の栄養状態や健康状態に問題がある、お住まいの地域に伝染病や感染症の流行がちょうど今ある(母親からの免疫を上回る量の病原体が存在する可能性がある)というようなケースになるでしょう。 外を散歩する母犬が病原体と接触するという可能性はたしかにないではありませんが、そういう事があっても感染が成立しないための母子免疫ということになります。 また、母犬が接触する可能性があるということは、飼い主さんが病原体を持ち運んでしまうという可能性でもあって、母犬だけ外を出歩かなければ安全ということでもありません。 子犬を守ろうというのであれば、事前に交配の前から母犬に充分な免疫を獲得させておくことがもっとも有効な手段といえるのではないでしょうか。
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