『パテラ』や『そけいヘルニア』を「成長するにしたがって筋肉も付き骨も成長するので問題ありません」と言うショップから犬を買ってはいけません。本気で問題ないと思って言っているのなら犬の病気の知識がないショップです。いえそんなショップはありえません。『そけいヘルニア』は手術で治ることが多いのでともかく、『パテラ』を問題ないと言うのは嘘つきです。『パテラ』は歩けない・走れない・立てないにつながる可能性がある深刻な病気です。それを正直に言ったら犬が売れなくなりますもんね。問題ないと言って買わせてしまう、あとになって病気がひどくなってもそのときにはもう情がうつっていて返却されることはない、それを見込んで商売しているんです。
パテラの子の仕入れ値は二束三文です。不良品ですからね。安〜く仕入れるから、パテラですからちょっと割引しますと値下げしても充分に儲かるんです。
だいいち、パテラの子を売っているということは、親子同士や兄弟同士を交配させるような滅茶苦茶な繁殖を容認しているってことです。売れ筋の毛色や、お手軽小さめサイズを無理矢理に生ませることを良しとしているってことです。現在の日本はそれを取り締まる法律はありませんが、売れるんならなにをしてもいいという現実はいつか法律で規制されるでしょう。
ま、そこがひどいショップだってことは間違いありません。

街のペットショップで売っている仔犬のほとんどは、健康でも健全でもありません。まだおかあさん犬のおっぱいが必要なときに強制的に離乳させられ、兄弟や姉妹と遊ぶこともなく(犬として大切なコミュニケーションを学ぶ機会もなく)、箱に入れられ、車に乗せられ、市場に運ばれ、セリにかけられ、また車に乗せられ、ショップのガラスケースに着きます。充分に母乳を飲み、兄弟たちと遊び、体も心もすくすくと育つのとは真逆の仔犬がショップに集められています。生き物として扱われていません。ガラスケースの中にいるのはファッション小物です。

「健康な」だけでなく、「健全な」も条件に、成犬時５〜８キロを基準にしてまずは犬種を絞り込んでみてください。成犬時５〜８キロだとどんな犬種がいるのか。そして、その犬種それぞれ、どんな特性なのか。猟犬として作られた犬種と抱っこされるために作られた犬種とでは同じ犬でもまったく気質特性が違います。猟犬のなかでも、獲物を探すだけのタイプ、吠えて追跡するだけのタイプ、襲いかかるタイプ、撃ち落とされたのを持ってくるだけのタイプ、いろいろいます。猟をするわけじゃなくペットとして飼ううえでもこのタイプの違いはさまざまな場面で毎日の暮らしに関係してきます。
こういうことの相談を面倒がらずにひとつひとつ丁寧に教えてくれるブリーダーから直接犬を買うことをオススメしますが、そういう良心的なブリーダーに巡り合うのは簡単なことではありません。「買う」＝お金がからむと人は良心をなくす場合が多いですから。
買うのではなく、見捨てられた子を引き取ることも視野に入れてみてください。

「比較的健康といわれている犬種なども教えていただけるとうれしいです」については、成犬時５〜８キロの小型犬の範囲だと「この犬種は比較的健康です」はありません。ショップに流通する小型犬はどの犬種も健康上のリスクがあります。まともな環境でまともな親から生まれていないし、まともな成長過程を経ていないので。

犬を「買う」のはとてもハードルの高いことです。事前に勉強したり、調べたり、相談したり、この掲示板を有意義に使ってください。