獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201110-41

Re3:猫の肥満細胞腫について
投稿日 2011年10月30日(日)12時11分 投稿者 プロキオン

>最後に悪性だと癌の一種といえますか?と質問したら「まあ、そうですね」というようなお返事だったので、リンパ腫と同様のもの?という変な質問をしてしまいました。
癌と同様のもの、と質問したほうがよかったでしょうか?

これも微妙な質問ですね。本来、癌というのは「癌腫」と表現した方が理解しやすいのですが、「癌腫」は腫瘍細胞が上皮性細胞から形成されているもののことを言います。これに対して、非上皮性細胞から形成された腫瘍は「肉腫」という分類になります。それが病理学的な分類となります。
ですから、リンパ腫にしろ、肥満細胞腫にしろ、非上皮性細胞ですから、「癌の一種ですか?」という質問に対してであれば、正確には「いいえ、違います。肉腫です。」という回答でないとなりません。が、しかし、そこにこだわることが適切であるか否かということになると、診察室ではどうでしょうか?
おそらくは、病理学の研究室出身の臨床医でもない限り、そこで時間をかけて説明しようとこだわることはないのでないかと思います。
また、質問者にどれだけ理解するための基礎知識があるかということも大きく影響することとなります。質問した側とされた側の、その時のマッチングの問題いわゆる相性としか言いようが無いように思います。


肥満細胞腫の分化の程度や顆粒の量とういことになりますと、これは直接細胞を採取して目で見て、確認するしかありません。

内臓に病巣が形成されているか否かというのは、直接見ることがかなわない以上は、間接的かつ手探りとならざるをえません。当然、ある程度の大きさとなるまで見つからないということもありえるわけなのですが、そこを含めて考えなくてはならないのが病院の立場であって、まるっきり何も考えていないということはないように思いますが。


追記:癌腫と肉腫においては、腫瘍細胞の周囲組織への浸潤に大きく異なる点がありますので、肉腫の切除となれば、癌腫以上に注意する必要があります。この点を執刀医が充分に理解していれば、大きな問題となるとことはないように思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。