獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-201111-10

Re3:猫の噛み傷
投稿日 2011年11月8日(火)22時14分 投稿者 パールちゃん

> 膿んでいないなら、それほど心配しなくても良かったのかもしれません。

いえ、膿んでいるように見えないほうが、猫の怪我は恐いです。
「噛み傷や引っかき傷が原因で死んでしまったという話をたびたび聞いたことがあり」は、大丈夫そうだと軽く考えてしまったために、内部でバイ菌の感染が進み、敗血症などを起こすのが死亡の一因です。
うちの猫も、見た目はほんのちょっとした傷を背中に作り、抗生物質を飲ませただけで軽く考えていました。
かさぶたができ、それが自然に取れて、もうすっかり完治と思った1ヶ月後くらいに、急に背中にパッカ〜ンと破れ、皮膚の下の赤い肉が見えるほどの深い穴が開きました。
最初の傷のときの、抗生物質が効かなくて生き残ったバイ菌が内部で化膿を起こしはじめていたのに、かさぶたによってフタをしてしまったため、中でじわじわと化膿が進んでいたようです。
猫は元気も食欲もあったので、もうすっかり治ったと思った頃に、背中に穴を開けるほどの力で中の悪いものが噴き出した感じでした。
獣医さんは、「中に悪いものがたまらないように、傷口は縫って閉じたりせず、かさぶたも取り去って、根気よく消毒」という指示でした。
裂けたような穴の開き方だったため、猫の動きで皮膚が引っ張られてさらに穴が大きくならないように、途中経過で穴の両端を少しだけ縫いました。
ジャブジャブと消毒薬を注いで洗い流すような治療を続け、化膿が抑えられたのを確認してから、穴をおおざっぱに縫って閉じました。しっかりと細かく縫わないのは、また中でもしも化膿してきたときに悪いものの逃げ場を作るため。
そのうち皮膚が再生してきて自然に穴は閉じたのを確認して、荒く縫った糸を抜糸。
完治まで3ヶ月ほどでした。
ですので、「かさぶたをとってもとらなくても大きな差がないのであれば、家で治療しようと思います」よりも、しっかりと獣医さんに傷を見てもらい、かさぶたがあったほうがいい傷か、取るほうがいい傷か、見極めたほうがいいと思います。

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