意見交換掲示板過去発言No.0000-201111-8
Re:猫の噛み傷 |
投稿日 2011年11月8日(火)10時30分 投稿者 プロキオン
さて、これはどうなのでしょうね? 大勢の獣医師に同じことを尋ねてみれば、意見は分かれるように思います。 私も、逐次瘡蓋を剥がしてあげた方が早く治癒すると聞かされたことがありますが、実のところはどうなのだろうかという感じです。 これは、同じ傷をつくって、瘡蓋を剥がした患者と剥がさずにそのままにしておいた患者とで比べるということができないからです。 その都度、剥がしていれば、剥がされた分は確かに縮小しているように見えますが、それ自体は瘡蓋の下で進行していた治癒機転ですから、外観の問題ではないかとも受け取れるわけです。 ですから、こうあらねばならないというような問題としては、考えたことがありません。 本来、皮膚組織に欠損する部位があって、そこに浸潤した体液が乾燥して瘡蓋を形成するわけですから、本当にきれいに治癒させようと考えたら、皮膚をスライドさせて欠損部を覆ってやれば良いわけであって、「きれいに」とか「早く」ということに対しては、あくまでも次善の策ということになります。 繰り返し瘡蓋を剥がす必要があるような大きさの傷であれば、私なら最初から縫合することを選んでいると思いますし、小さな傷であれば、同じ事だろうという考えです。 また、創傷の湿潤療法を摘要されている先生方にしてみれば、別の観点からの見解もおもちではないかと考えられます。 診療も一つの方法だけでなく、時代とともに変遷がありますので、さまざまな考え方や意見があるのではないかと思います。
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