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Re2:ペットの疥癬ダニの予防、対策について
投稿日 2015年4月5日(日)11時27分 投稿者 プロキオン

予防的な使用というのには、私は意味が無いと考えています。
と言いますのは、小穿孔ヒゼンダニや耳ヒゼンダニに限らず、動物にも人間の皮膚にもニキビダニというダニが普通に寄生しています。このニキビダニは疥癬の一種でヒゼンダニの幼虫の携形態をしています。幼虫のまま性成熟して繁殖をするダニです。

# モールサラマンダーの幼態がそのまま変態せずに成熟して繁殖するようになったものがウーパールーパーと呼ばれているのと同じような現象です。

ニキビダニは、生後まもなくから寄生しており、人間や動物の体細胞免疫による攻撃を受けつつ異常に増殖することなく、生活しているのです。ダニ自体は、宿主の免疫から逃れるために免疫抑制物質を分泌しており、宿主の免疫とダニの免疫抑制とのバランスの上で生存しているということになります。
そして、これが皮膚炎を呈すという場合は、増殖を抑えるための宿主側の免疫が低下していることが推測されます。さらに、症状が進行していく症例というのは、ダニ側の免疫抑制物質が増加しているということであって、宿主の免疫が回復する速度を上まわっているということになります。だからこそ、人間の手によってダニの数を減らしてあげる必要が出てくることになるわけです。

タヌキ・キツネ・猪等の野生動物においても相当に進行した疥癬の症例を目にしますが、それらの多くは症状の進行がひどすぎて、おそらく駆除薬を摘要したとしても回復が期待できないとことまで進んでしまったものが多いようです。
ですが、その反面、某写真家さんの説によると、ハクビシンやクマではそこまで進行した疥癬の症例を目にしたことがないそうです。
ダニと宿主の免疫バランスの上になりたつお話なので、各々動物にはそれぞれの動物に特化したダニが寄生しているという前提があります。この動物種の壁を越えての感染ということになりますと、相当に大量のダニが必要となります。
動物種の壁を越えての感染を心配なさる場合は、まず、第一には接触をさけることになりますし、感染している動物の体から落屑と共に落ちてくるダニが生存しにくい環境とすることが求められます。これは環境条件の清掃に限らず、ダニの生存時間という時間的な障壁を設けることでもよいわけです。少なくとも感染源であるダニの量の減少を図るということだけでも意味のあることとなります。予防というのは、そういうことを言うのだと思います。

最初の話に戻りますが、疥癬やその仲間というのは、健康な動物や私達人間の皮膚にも寄生しているのです。こういうものは、容易には0とすることはできません。
駆除薬をむやみに使用して耐性を生じさせてしまうよりは、適切なタイミングでの使用が望まれますし、根本的には動物や人間側の免疫力を低下させないということが大事ではないでしょうか。
また、これを担当する免疫は体細胞性免疫ですので、特定の病原体にしか働いてくれないというのではありません。すなわち、定期的なワクチン接種を実施しておくことによっても体細胞性免疫を高く維持しておくということはできると考えられます。

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