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意見交換掲示板過去発言No.0000-201501-258

告知
投稿日 2015年12月16日(水)11時48分 投稿者 ムクムク 

今日は、余命告知について書かせていただきます。
私が20代の頃に見た田宮二郎主演の白い巨塔で、終盤に大学教授の財前五郎自身が癌に倒れる。
当時は、癌通告というのは行われることが少なく、財前教授自身が末期癌であることを知らされてない。
ある夜、ナースステーションに訪れた教授がナースに自分のカルテを見せろと迫る。
ナースが見せると、それは偽のカルテとレントゲンで、「これは自分のではない」と叫ぶ。
鬼気迫る演技で、生涯のドラマになっています。
そのくらい、当時癌告知はイコール死の告知であまり行われていなかった。
すべきじゃないかという意見もあったのですが、有名な高僧が自分の病状を知りたい、自分は大丈夫だというので、癌告知したところ、治療困難な精神状態になったという話もあり、当時告知はまれだったと思います。
現在では、癌は必ずしもなくなる病気ではなく、外科や薬物、放射線療法などをケースによって組み合わせて治療しますので、患者に内緒というわけにも行かず、医師やスタッフと一緒に治す時代になっています。
さて問題の余命宣告です。
誰だって死にたくないし、医師にかかっているんだから治して欲しいと願っている。
しかし、医療的にこれ以上の治療は患者に負担になるだけで、苦痛などを取り除き、一時であってもおいしく食事も出来るように配慮した方がいい段階になることがあります。
この告知は難しい。
私は大阪生まれですが、関東の大学を出て、関東で研修しましたので、大阪に戻ってきてもしばらくは妙な標準語。
これで、告知したところ、言葉が冷たいとか、人を馬鹿にしているとか言われたことがあります。
また、大阪以外の出身者の場合、大阪弁で情を込めてしゃべって、かえって叱られたこともあります。
告知の場合、話の内容ではなく、イントネーションだけでも冷たく感じる場合があるので。
100点満点の告知はあり得ないでしょう。
先方は治して欲しいのに、こちらは苦痛を取り除くのを主体にしようと提案するのですから。
医師は絶対ではありません。 ですので、納得できなければセカンドオピニオンを求めて他の医師に診てもらうのもいいと思います。
実際、私も飼い主さんが納得していない様子だと、他の病院で診てもらわれることを提案することもあります。
ただ、民間療法がいかがでしょう。
先方は龍神の使いだといって糖尿病を治すと言ったりします。
夢を見るというのは、生きていくのに必要なことですが、場合によってはなくならないでいい人まで亡くなったりする。
セカンドオピニオンは医療の範囲で、医師以外の意見はあまり参考にすべきじゃないと私は考えています。

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