ちびが我が家に来た日のこと、覚えてます。すごく私が小さい頃で、お前を抱っこ
して膝の上に抱き上げた。今思えば、初めて来た家で見知らぬ人間の子供の安定の
悪い膝に乗せられて、さぞ困惑していただろうに。なのに、しばらくすると眠って
いて･･･すごくうれしかったよ。ここは今よりもっと田舎で、周りはみんな放し飼い
状態。うちもそんな感じで、私が小学校から帰ってくる時にはいつも迎えに来て
くれたね。道路は左右を見て、車が来ないのを確認してから渡って、友達はみんなで
｢ちび、すごいね｣｢ちび、かしこいね｣そう言ってたの知ってた？いつも自慢だったよ。
すごいのも賢いのも全部ちびなのに、私がいい気になってどうする?!(笑)
ちびが行ってしまった年の夏、流星群が来てたね、蛍も異常発生してた。夜中、そっと
家を抜け出した私とよく散歩したね。そうだ、初めて見た流れ星はちびと一緒の時だ。
田んぼ道でちびが蛍の群に突進したときはまるで、津波みたいに光が割れた。夜空は
星だらけで、空とつながってた。私もちびにつられて光の洪水に飛び込んだら、波が
立った。とにかく、楽しかった。　　　　私は子供だったから、自分勝手にちびと
接していた。私ばっかり楽しい思い出貰って、ちびはどうだったかな？子供が気分の
ままに自分にかまってきて、イヤなこときっといっぱいあっただろうな･･･。
あれから12年。今、うちには三頭の仲間がいるよ、最初のうちは本当に色々あった。
この子達には、私、あの頃の自分よりはちゃんと向き合って接してると思うし、すごく
大事。ちびがいてくれたおかげ。あんなに後悔しないように、みんなと遊んでるよ。
また、ちびに会いたいな。教えて欲しいことも伝えたいこともいっぱいあるよ。