獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-200412-73

>たいこさん
投稿日 2004年11月3日(水)11時00分 投稿者 プロキオン

動物達への善意ありがとうございます!

山古志村のタカノファームの牛達については、昨日のテレビでは、「お金
の問題では無い」と社長さんだったか、農場長さんだったかが発言してお
られました。
ヘリコプター1機のチャーター料が1時間150万円と報道されていまし
から、昨日のように4頭ずつの輸送であれば、150回程飛ばなくてはな
らないようです。
( テレビでは、この農場だけで1000頭の牛がいるという報道もあり
  実際の数字が不確かです )

昨日は試験輸送だったのではないかと思われ、本格的な輸送となれば、も
っと効率的に実施されるのでしょう。産業動物といえでも、世話をしてい
る人間からみれば、やはり情は移りますし、可愛いものです。

私も実家がある村の水害で近所の豚が川に流されてしまったり、牛が牛舎
の中で水に浸かって泳いでいたり、というのを知っていますので、その時
の飼い主さん達の受けた衝撃はある程度理解できるつもりです。
例え、相手が肉畜といっても、災害において失われてしまうのは、やはり
受入れ難い事と言えます。その点はペットと同じことなのです。
大変だ、可哀想という素直な気持ちでよろしいように思います。

ただ、これらの牛達については、「産業」ということで、行政や企業が中
心となって対応すると考えられます。
前例のないことなので、障害もあるかと思いますが、そのまま見捨ててお
かれるということにもならないように思います。
農家の方達も牛舎に牛を残してきたということは、気持ちとしては、いず
れ機を見て山越えしてでも世話に戻るという気持ちだったのだと思います。
放してしまうということであれば、自らの手の及ばない牛まかせというこ
とになります。牛は「前胃動物」ですので、今から冬に向かってでは、そ
れでは厳しかろうと予想されます。

牛以外にも村に残された動物達はおりますが、飼い主さん達とすれば、残
っているものたちのためにも一刻も早く村へ帰りたいという気持ちだと思
います。

# 前胃動物というのは、食べた植物を消化管の前の方で発酵させ、栄養
  として利用するタイプの草食獣です。
  食べる草の質に栄養状態が左右されやすく、粗食に向いていません。
  軟らかい草を好み、樹皮や笹等は苦手といえます。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。