獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-200512-24

災害時の動物ボランティアの連絡先
投稿日 2005年4月6日(水)15時42分 投稿者 プロキオン

ぷいさん、ボランティアのお志、どうもありがとうございます!

普賢岳、神戸、ナホトカ号、有珠山というように活動が始まってきた動
物救護のボランティア活動ですが、幸と言うべきか不幸というべきなの
か、それなりにノウハウが貯えられてきたように感じます。

まず、災害においては、自分が助かることが最大の優先事項です。飼い
主である人間が助かってこその動物救護です。
飼い主さんといっしょに暮らせることが動物達にとっても、なにより幸
せなことだと思います。
災害によって救護の必要性が生じてしまったときに飼い主さんと動物に
わずかでも手を貸してあげることができるということがボランティアな
のです。

治療とか、一時預かりの必要性がある場合は、今では現地の獣医師会と
行政が連絡をとって、県の保護施設等に預かるというのが一般的となり
つつあります。
このとき、当然全国規模で活動している愛護団体でも餌や資材、動物管
理等において積極的に活動してっくださっています。
各県の獣医師会も有志をつのって災害時の派遣ということを実施したり
します。
したがいまして、お住いの県の獣医師会や動物愛護団体に問い合わせを
してくだされば、現地対策本部が立ち上げられていれば、連絡先を教え
て貰えるはずです。
ただし、現地対策本部ができていない場合というのは、ボランティアの
受入先がありません。そのような場合に、いきなり現地へ乗り込んでも
被災者が1人増えたのと同じ結果になりかねません。
# 現地対策本部を立ち上げるための活動のつもりであれば、食料とテ
  ントの持参を覚悟していただくことになります。


現地の行政、自治体は、当初はかなり混乱しておりますので、「動物救
護ボランティアの希望」と電話しても、すんなりと話が通じるとも考え
られません。
遠隔地にお住いの方であれば、まずはお住いの県の獣医師会や各団体に
連絡をとって、電話番や後方支援のつもりでいてください。どこへ何を
運ぶのか、現地の要望を把握できている人間が物資といっしょに乗り込
むことの方が効率がよいのです。

福岡西方沖地震においては、まだ余震が続く情況のようですが、福岡市
内の動物病院では、診療可能であり、犬や学校飼育動物の避難情況は、
先にこの掲示板の過去ログに書いたとおりです。
捕獲できなかった猫達についても、玄界島にも一部の人達が戻っており
ますので、餌の給餌は実施されております。

被災地の県庁や市町村役場では、直接連絡をとるのは御遠慮ください。

日本獣医師会や各愛護団体の本部というのも全国各地から問い合わせが
ありますので、電話回線を塞いでしまい、職員の仕事を増やす事になり
かねません。
情報が届くのが多少遅くなりますが、地元を連絡先としていただいた方
が助かるように思いますし、電話帳で連絡先を捜すのも簡単だと考えま
す。
お住いの県のこれらの団体が窓口活動を実施していない場合は、情況を
見計らってから、これらの団体の上部組織と連絡をとってみてください。

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