獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-199907-73

命も大事、社会性も大事、それともう一つ繁殖者と新オーナーの気持ち
投稿日 1999年7月30日(金)13時17分 外崎洋二郎

仔犬の引き渡し時期について
この件については犬と言う動物が人間の生活環境のなかに取り組まれるように
なってからずうーと話題になってきていると思いますが、
定説とか決まりというものはないと思います。
ただ、アメリカンケンネルクラブ(AKC)では、「仔犬を求めるにあたって」と
いう小冊子の中に42日(6週間)を過ぎたら新しいオーナーに渡しても心配ない。
と書いてありますが犬種や大中小型によってもその時期はかなり流動的だと
思います。
仔犬にとって、親元に長く居れば居るほど幸福である事は言うまでもあり
ません。
しかし、繁殖をしたからには何か目的があって繁殖するのですから
新オーナーは一日も早く可愛い内に引き取りたいのも又事実であります。
私どもの飼っているセントバナードなどは3ケ月も経つと可愛さは失われ
つつあり体重も30kg前後になり新オーナーは喜んで持っていく事は無い
と思います。(特別なケースは別にして)
犬社会の社会性、犬と人間の社会性etcは重要な事だと思います。
しかし、それは、生後60日位で卒業と言うわけにはいかないとと思います。
むしろ新しい環境の新オーナーの所での社会性の問題の方が大切なのでは
ないでしょうか。
仔犬の命の管理は大切な事ですがそれも新オーナーの責任範囲だと思い
ます。60日前後を過ぎたら色々な大人社会に適応する為の予防接種が
待ち受けているのですから私の場合、親の乳を頼らなくても充分自立
できるように成長したのなら50日位までに新オーナーに手渡しています。
何れにしても、不要、無目的な繁殖、小遣い稼ぎの繁殖は避けるように
したいものです。

http://www.d1.dion.ne.jp/~saints

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