獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-199908-73

まるまるさんへ
投稿日 1999年8月29日(日)07時06分 若杉

今回のことでは、双方に苦い教訓があったと思います。
電話では感情的になるので、手紙で伝えるのも手ですね。
写真入りで、トイレのしつけ状況や、表情、様子などを
相手の子供さんに伝えるのが、効果的でしょう。

今回のトラブルの場合、一番の被害は、相手の子供さんでしょう。
まるまるさんは二番目かな? 喜んでいるのは、相手の奥さんでしょう。
動物嫌いの奥さんにとって、自分の住まいが汚れずに済み、子供からは
恨まれないので、一石二鳥といったところでしょう。

通常の日本の家庭では、たいていは奥さんが実権をにぎっているので、
奥さんが犬を嫌いな家庭は、大抵は不幸な結果になるもんです。
ただ、子供さんにとっては「弟(か妹)」のように接してきたので
精神的なショックは大きいでしょう。
(だからといって「返す」必要はありませんが・・・)

私が言いたいのは、中学生から高校生、大学生などの、
若い時代には、自分が遊ぶことに夢中になるために、
犬の世話がほったらかしになることがあるのです。
年齢的にも、子供の世話ができる中年になってから、
犬を飼い始めると、犬にとっては比較的幸福ではないでしょうか?

このまま相手の方との連絡を絶ってしまうのが楽でしょう。
でも、そうすれば相手の子供さんは他に(ペットショップなど)
小犬を見つけて、もう一匹の不幸な犬が増えるだけです。

今回のいきさつはどうであれ、相手の子供さんに犬の世話を
どのように行うのかを手紙や雑誌(獣医さんのところで無料になるものなど)
を小まめに送り、啓発を行う必要があるかもしれません。
動物嫌いの奥さんが教育できるとは思えませんので。

これは、私の苦い経験が基になっています。
いままでの歴代で三匹の犬を飼っていますが、
(いずれも、芝犬系の雑種)
一匹目はいじめ過ぎて逃げてしまいました。
二匹目は、病気で死にましたが、死ぬ前に姿を消しました。
三匹目は現在の犬です。
おふくろも私も犬に対しては愛情は相当あったので、
今回のまるまるさんの件の、相手の家族みたいにひどくは
ないものの、今からおもうと、充分な世話ができたとは言えませんでした。
また、散歩は私の役目でした。一匹目は小学生の時分、
二匹目は高校生〜大学生の時分でした。
当時は子供でしたから、遊びたいさかりでしたので、
結局、ろくな世話もしなくて、居なくなってから
「もっと世話や散歩しておけばよかった」と
後悔したもんです。

おそらく、相手の子供さんも、似たような後悔の念にあるでしょう。
相手の奥さんに言わせると「非常識」かもしれませんが、
犬の世話の方法や、きちんと愛情をもって世話をすると、
こんなに犬が変わる(穏やかに幸福そうになる)ことを、
しつこく子供さんに伝えるのが良いでしょう。
まあ、相手の奥さんのことですから、差出人を見て、
子供の目に触れないように捨ててしまう可能性が大きいですが。

今回みたいに、動物嫌いの家族(特に奥さん)が居る場合、
犬を飼うことは今回みたいなトラブルとなるでしょう。
例外もありますけどね・・・
今の犬が、6年前に小犬を産みまして、その貰い手の家族の
奥さんが「犬嫌い」だったのですが、飼い始めると情が移って
「犬に夢中」の状態になったことなどもあります。
こうした例は、稀でしょうね。

生き物の世話というのは(犬に限らず)愛情が基本になります。
法律や常識論を持ち出してみても、愛情が無い場合には、
不幸になるだけです。

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