獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200004-1

大きさ
投稿日 2000年4月1日(土)02時48分 はたの

>少しでもどうにか出来ないかという気持ちが伝わらなかったようですね?
まったく逆です。そのお気持ちが強すぎないか、心配なのです。そのお気持ちが
強すぎてイヌに無理がかからないか心配なのです。  

>2匹飼っていて親子、兄弟でもなしでどちらも小さいのですョ。
 ということは最初の掲示では明記されていませんでしたし、
 血縁関係がなくても、小柄で太目の系統が偶然揃う、ということはあります。
>元々大きくなれる要素がある
 ということは、両親犬4頭や兄弟姉妹は大柄なのですか? 
 あるいは、同系の同齢の他犬とくらべて、特別に小さい、体型がおかしい、
ということはありますか? ちなみに、ラブといってもさまざまな系統があって
大きさも体型も異なりますから、「よそのラブ」に比べて、というのは、何か特別な
手をうつべきかの判断材料にはなりません。
 獣医師に、栄養上の問題はないことを確かめてもらってありますか? これが大切でしょう。

>しかも♂の方は、背が低く、顔が大きく、四肢は太く短く、体型は太め!
 程度・比較の問題ではありますが、これらの特徴それ自身は、ラブ本来、ともいえる特徴です。
 ご存知のように、ラブは、厳しい環境の中で撃ち落とされた水鳥を運んだり、漁師の
手伝いをしたり、といったために作られた犬種です。大きなガンやカモ、網に取り付けた
ウキを柔らかく力強く咥えるためには大きな口、ひいては大きな頭が必要ですし、
冷たい水に耐えるためには、太い胴体が要るのです。貴族のイヌではありませんから、何でも食べて
栄養にしなくてはならず、大き目の消化器官ひいてはやっぱり太目の体が要ります。
ギャロップするよりも落ち着いていることが大切ですから、足は短く太く頑丈でよいのです。
手元にあった本では、
ラブはスタンダードが許す「最大」が62センチ、31キロ、が標準で、
ちなみにイングリッシュポインターは63〜69センチ、20〜30キロ、です。
同じ背ならラブは10キロ重く、同じ重さなら7センチ背が低いのです。
もともと太目のイヌなのです。
飼っておられる2頭の体高が明記されていないので、「異常に」背が低いかは判断
できませんが、メス1歳26キロ、オス10ケ月25キロは、2頭が特に大きい系統
ならともかく、ラブ一般からすれば、小柄ではあっても、異常に小柄とは言いきれません。

「異常な」小ささなら、飼い主にできるのは、獣医師の診察を仰ぐことだけでしょう。
ホルモン異常等は、素人には直せません。
「異常でなく」小柄だとしても、飼い主にできるのは「適切な食餌と運動を与える」ことしか
ないのです。
 だからこそ、獣医師の判断が必要になります。毎日の餌と糞を持参して病院に相談は
されましたか? 検査は受けられましたか?

>ショック!肉用家畜と同じように比べるなんて・・
>自分では普通に飼っているつもりで、大きく出来ない事を悩んでいるのに・・
 誤読なさらないでくださいね。
「無理に大きくしようとすると、肉用家畜で生じるようなトラブルが心配ですよ」、
だから、
「肉用家畜のように無理に大きくさせようとしないほうがいですよ」
と言っているのです。

>ここで質問しないのでは無いでしょうか?
主催のムクムク様がしばしば書いておられますが、
病的なものについては、まずとにかく獣医師に直接診てもらうのが先決です。
病的でないと確かめるのも獣医師の役目です。

病的なものなら、獣医の治療を受け、また獣医の指示のもとで、イヌに無理がかからない
範囲内で可能なことを飼い主が行なう。
病的でないなら、イヌに無理がかからない範囲内で可能なことを飼い主が行なう。
これしかないと思いますよ。
「同系統のラブの同齢の平均と比べて、何キロ少なく、何センチ低い。けれど、
ラブに詳しい信頼できる獣医師には、体には異常なしといわれた。こうこうこういう
飼いかたをしているれど、改善できること、もっとできることはないだろうか」
 というところから始まらないと、「飼い主に可能な工夫」も意味を持ちません。
「大きくしてあげたい」という御気持ちがつよいほど、あえて意識して冷静になられて、
できることできないこと、また試みる順序、を考慮されるのが効果的だと思います。 
 

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