獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200004-57

Re; ワクチン2
投稿日 2000年4月24日(月)15時26分 Suzuka

ワクチンをなぜ複数回時間をあけてうつかというと、母体からの移行抗体がいつ切れるかに
個体差があるからです。
ワクチンは、弱らせた少量の病原体を仔犬の体内に注入することで、その病原体の顔を仔犬
の免疫細胞に覚えさせ、いざ本物の(というか弱っていない)病原体が入ってきたときに
病原体を殺す抗体をつくる能力を獲得させるというものです。
母体からの移行抗体が十分量残っているときにワクチンをうっても、入ってきた少量の病原
体は母体からもらった抗体で消されてしまって、仔犬の免疫細胞は病原体の顔を覚えられず
自分自身で抗体を作る能力は獲得することができません。
ですから、母体からの移行抗体が消えそうになる生後6〜8週以降に何回かに分けて接種す
ることによって、母体からの移行抗体による感染防御から仔犬自身の抗体産生能力獲得への
受け渡しを漏れなくスムースに行うことができるわけです。

ですから、必ずしも3回うたなくてはいけないということはありません。
2回目接種をいつしたらよいかは、獣医さんと相談されるとよいと思いますが、お住まいの
地域で特に流行している感染疾患がないかぎり(これはかかりつけの獣医さんにお聞きにな
ると教えて下さいますよ)、御愛犬の週齢でしたら、2回目の混合ワクチンが済んでから
2週間以上たてば大抵は外に散歩に出しても大丈夫だと思います。
どうしても御心配であれば、地面におろさず(他の犬の糞尿等に触れないように)抱っこ
して公園などに連れていって、他人に触ってもらったり、他犬に会わせるだけでも、ある
程度の社会化は図れますので、あまり御心配なさらなくてもよいと思いますよ。

混合ワクチンの値段は、獣医院へ電話で問い合わせれば教えてもらえます。
電話の対応等も獣医院選びの基準のひとつとなりますので、電話帳などでいくつか候補を
選ばれて電話でお問い合わせになってはいかがでしょうか?

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。