獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200005-35

Re; 子宮癌の可能性
投稿日 2000年5月24日(水)10時37分 Suzuka

チワワ2頭(去勢済オス・避妊済メス)と甲斐犬1頭を飼っております。

 乳腺腫瘍は、最初の発情までに避妊手術を受ければ、発症率が未手術の犬に比して1/50、
また2回目の発情をむかえるまでに避妊手術を受ければ1/3以下であると報告されています。
それ以降(すなわち御愛犬のようなケース)では、発症率に有意差はないようです。
 一方、子宮に関連する病気で老齢犬で問題になるのは、子宮癌よりもむしろ子宮蓄膿症で
あると思いますが、こちらは、子宮そのものをとってしまうわけですから避妊手術によって
100%予防することができます。
老齢のメスの子宮蓄膿症の発症率はかなり高い印象をうけますし、子宮だけの病気ではなく
敗血症(最近の毒素が全身にまわる)をおこして死亡することもある病気です。

 6歳というとまだ老齢というほどでもないとは思いますが、あとは考え方の問題です。
予防するのか、発症してから治療するのか、です。
発症してから治療する、という場合には、現在より更に老齢になってからの治療ですし、
病気になった子宮は癒着などがあったりして手術侵襲も大きくなる可能性が高いですので
それなりのリスクは覚悟する必要があります。

御愛犬の現在の健康状態や基礎体力の問題なども関わってきますので、かかりつけの獣医
さんと、いまいちど、よく御相談されたらいかがでしょうか?

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