ヒトも中年になると無意識のうちに「よっこらしょ」などと言ってしまいますし、
さらに歳を取るとぶつぶつと独り言が多くなるものです。
これは肉体が衰えてきたのをカバーするために、
自分の意志を確認したり、行動に弾みをつけたり、不安を振り払おうとする気持ちが
声になって出ているといわれています。
イヌも同じです。
歳を取って体が弱り、目もあまり見えなくなってきた不安から、
夜中につい鳴いてしまうのだと思います。
鳴くことで不安を訴え、心配してもらうことで自分の存在を確認したいのでしょう。
ですから鳴くのをやめさせるというより、
鳴く原因となっている不安の元を取り去ってあげるのがいいと思います。
室内に入れてあげることができればいちばんいいのですが、
玄関や勝手口など家族の気配を感じられるような場所に移すことはできませんか?
あるいは家族のなかでいちばん好きな人の匂いのついたものをあげて、
その匂いに包まれていれば安心というふうに工夫することもできます。

仔犬や若犬の頃とは違い、これからはいくらでも甘やかしていいと思います。
老いた体と心にたくさんの愛情を注いであげてください。
この先いっしょにいられる限られた時間を幸せ密度の濃いものにしてあげてくださいね。