獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200207-98

あきさんへ
投稿日 2002年7月27日(土)07時01分 パールちゃん

犬飼いのパールです。
意見交換BBSのほうへも投稿されていましたね。
あちらでは獣医さんからコメントがあるかもしれませんが、
ここでは一飼い主として私が経験したことと思ったことを書きます。

私は二度、うちの犬と猫の蘇生処置に立ち会ったことがあります。
二度とも心肺停止で体温低下でした。
獣医さんがしてくれたことはあきさんが書いていたこととほぼ同じでした。
強心剤を打って心臓マッサージ。人工呼吸はなし。検温もなし。
蘇生確認のため、心マの手はときどき止めていました。
うちの犬は中型犬でしたし、猫は普通サイズの猫でしたから、
胸の右か左かというよりも胸全体に手を当てての心マでした。
人間に施すような手のひら全体を垂直に押し当てるというよりも、
丸いボールを持つときのように手のひらをすぼめて押すという感じでしていました。
右が上だったか左が上だったかは覚えていませんが、姿勢は横向きでした。
犬や猫をあお向けに寝かせるのは骨格の関係で不自然になりますし、
あお向けにして心マをした場合、力がかかりすぎて肋骨骨折の恐れがあるのだそうです。
また、あお向けだと唾液や嘔吐物が気管に流れるおそれがあるのだそうです。
二度とも蘇生は叶いませんでしたが、獣医さんはできるだけのことをしてくれたと、
そのとき私は思いました。

あきさんは処置が正しかったかどうかに疑問を感じていらっしゃいますが、
そもそも「正しい処置」というのはあるのでしょうか。
患蓄の容態、蘇生用機器の有無、獣医師の技量や経験など、
いろいろな要素とさまざまな場面によってどこまでできるかは違うと思います。
私は、正しい処置というのはないように思います。
問うのは「正しい処置」ではなく、「手を尽くしたのか」なのではないでしょうか。

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