獣医師ではありませんがご参考まで。

　最近のイヌ雑誌などではイヌを子供扱いして「お友だち」が云々、などとよくありますが、本来、成熟したイヌは、自分の群れ（ヒトも含めた家族）以外のイヌとは敵対的なものなのです。
　ことに雄イヌは「男子家を出ずれば七人の敵あり」的な世界観を持っているものなのだ（のんママさまのご希望がどうあれ）、というぐらいにお考えください。
　中にはいろんなイヌと親しげに遊ぶイヌもいますが、そっちが例外的なのです。

　個体差はむろんありますが、いろんなイヌと親しくなりやすいのは、共同して使役するために作られた猟犬の系統です。英国貴族Ａ卿とＢ卿がともにポインターやレトリーバーを伴って共猟する時にイヌがケンカをしては困りますし、プレゼントしたビーグルが行った先の群れと一緒に働けないのは困るわけで。

　ヨーキーはヨークシャーテリアなわけでして、もとは、ヨークシャー地方の農場でネズミなどの小動物退治をしていたイヌです。飼い主にも仲間のイヌにも頼らずに、自分だけの力で、自分よりいくらも小さくない小動物を咬み殺すのが仕事でした。気が強く勇敢で、「お友だち」を欲しがらないイヌなのです、本来は。テリアっていうのはケンカっ早いイヌなのです。
　ご愛犬は本来のヨーキーらしい凛々しさを持っていて、それがハッキリし始めたのでしょう。特に、誰とでも「お友だち」になるタイプのイヌでは、イヌの生得的な身体言語が崩れている傾向があり、またヨーキーよりはたいていが大きいわけで、ご愛犬にしてみれば、うすらでかい無礼な奴、に見えても不思議ではありません。

　他のイヌと仲良くすることを無理強いする必要はないかと思います。ご愛犬が孤高を好むのならば、その個性を受け入れるしかありません。３ ４歳になれば少し落ち着くかもしれませんが、それもご愛犬の中で醸されるもので、ヒトが干渉できる余地はあまりありません。他のイヌと仲良くさせようとする働き掛けは逆効果になりかねません。　
　
　最初からケンカ腰で他のイヌに向かって行くというのならともかく、遊んでいるうちに諍いになるというぐらいなら、特になにもしないのが一番だと思います。
　男くさいマッチョなキャラ（見た目はこの際無関係です）の男のコにはそういう時期があるものなのですよ。

　ちなみにヨーキーと雖も、諸条件が満たされる特定の場合はノーリードにはしないのが原則です。