獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200210-17

さつきさんへ
投稿日 2002年10月3日(木)21時22分 パールちゃん

犬飼いのパールです。

1歳を過ぎて自分の縄張りと外界の区別がはっきりわかるようになったんでしょう。
犬には自分の仲間(さつきさん一家)と仲間の居場所を守る習性があり、
それをおびやかすかもしれない侵入者や通行者に過敏に反応することがあります。
吠える犬が普通です。
吠えない犬は、成長過程で不特定多数の犬や人とよく遊んだとか、縄張り意識の低い犬種だとか、
吠えない理由をちゃんともっています。
さて、音で脅かしたり、大きな声で叱ったりするのは、
「よしっ、いいぞっ、もっと吠えろ」の意味になってしまいます。
吠えているときに飼い主が大声を出すのはタブーです。
犬は「誰かきたよー、怪しいよー、ボク吠えて追い払うけど、できたら早く来てー」と言っているので、
吠えなくてもいいんだということを教えるには、
怪しくないよ、戦わなくていいんだよとわからせる必要があります。
対象者と飼い主が仲良くしているところを見せたり、
犬と対象者の中間の位置で飼い主が腰を落として身をかがめ、相手と戦う意思がないことを見せたり、
対象者が進んでいく方向とは逆方向に飼い主が歩いてやりすごす場面を見せたりして、
「なんでもないよ」「なんてことはないんだ」を態度で示します。
あるいは低いドスのきいた声でビシッと叱ります。「ノー!」など短い言葉のほうが効果的です。
噛まれないように注意しながら犬の首ねっこをおさえつけ、「もういい」と言い聞かせてもいいです。
要するに、吠える必要はないということを理解させるわけです。
吠えない練習を繰り返せば、犬は吠えないでいられるようになります。
がんばってくださいね。

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