獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200212-101

さとこさんへ
投稿日 2002年12月24日(火)01時57分 パールちゃん

獣医さんに連れていって血液検査をしてもらえばフィラリアにかかっているかどうかはすぐわかります。
苦しそうな咳をしたり貧血を起こしたように倒れたりするのは典型的なフィラリアの症状で、
さらに病状が進むとおなかに水がたまったり、ふだんの呼吸が苦しそうになったりします。

咳をしたり倒れたりするようになっているのならば、
すでにフィラリアの親虫が心臓内か肺動脈内に寄生しているでしょう。
子虫しかいない段階なら薬で撲滅することは可能で、完治させることができます。
でも親虫がいるとなると、たとえ手術や投薬でそれを取り除いたとしても、
ゼーゼーしたりする呼吸器系のトラブルが後遺症として残ることがあります。

親虫を取り出す手術はsangoさんが書いてくれたとおりです。
喉のところを切ってそこの血管から管を入れ、親虫をつまみ出します。
これは、どのへんにどのくらいの数の親虫がいるか、
そこへたどりつくまでの血管はもろくなっていないか、
手術のための麻酔に病状や体力が耐えられるかなどが考慮されます。
薬(ヒ素)を飲ませて親虫を殺す方法もありますが、
これも病状や体力によっては犬が薬に耐えられない場合がありますし、
死んだ親虫が血管内に詰まって急な症状を犬にもたらす危険があります。

積極的な治療として手術や投薬をするか、
あるいは積極的にフィラリアの治療はしないが薬で咳や呼吸を楽にして生活の質を上げるか、
それは犬の年齢や体力、病状によって獣医さんと飼い主さんで相談することになります。
まずは獣医さんへ。
冬の冷たい空気は咳を誘発する大きな原因になりますから、
とりあえず咳止めの薬をあげるだけでも犬はとっても楽になるはずです。
フィラリアに対する考え方、治療方法の選択、費用などは獣医さんによってまちまちです。
お金のことを聞くのはどうするかを決めるためには大切なことですから、
遠慮しないで獣医さんに聞いてみてくださいね。

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