獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200312-172

re多頭飼
投稿日 2003年12月26日(金)05時43分 はたの


 本当に一般論でいっちゃうと、覚悟と度胸、に尽きます。
 そりゃやっぱりいろんな軋轢は起きます。他方、イヌやネコにとっても楽しみは増えることが多いんですが。
 いさかいが生じた時、それが生き死にに関わるのかそうでないのか、覚悟と度胸がないと、見定めるというスタート地点にも立てないわけです。
 イヌでいうなら、確率的には異性がラクです。同性は、私見では、まだしも雄同士。去勢雌同士はちょっと・・・
 サイズ差はあまり大きくないように。ということで、ふだんならお勧めのノラ上がりですが、少なくとも雑は将来のサイズが読みにくいのであまり強く勧めません。詳しい人と一緒に行く、あるいは施設のかたがサイズの読みに長けているのなら問題ではありませんが。
 とりあえずはイヌは2頭までに。両手ですむ1対1のケンカを止めるのと足まで使う必要のある1対多のケンカを止めるのとでは雲泥の差ですから。よほど相性が悪い組み合わせでない限り、2頭のほうが3頭以上よりケンカも起こりにくいものですし。
 テリア、日本犬系はやや難アリ。とはいっても小型雑はたいていテリアっぽいのが多いですし、個体にもよりますが・・・。顔付きで判断しましょう。穏やかな個体もたくさんいます。
 
 イヌネコ同居の場合、ネコの糞をイヌが食べる確率はかなり高くなります。イヌが入れないところにネコトイレを。ケンカは、少なくとも片方が内気なMダックスならば、かえって少ないでしょう。仮にべたべた仲良しにならなくても、ちょいと距離のある平和ていどでケンカにはなりにくいので。
 逆に共同破壊活動には要注意。机の上にあるものをネコが落とす、落ちたものをイヌが咬む、というパターンです。

 とは言うものの、結局のところやってみないとわからん、というモノではありますし、覚悟と度胸さえあれば、案ずるより産むが易し、だったりはします。ことに内気なイヌならば深刻なトラブルは起きづらいものですし、いじける心配もそうはいらないでしょう。親しくないよその(たいていは自分より大きな)イヌと、家族となったイヌやネコはまったく別のものですから。
 群れのアルファとしての在り方も、順位に敏感なイヌが混じらない限り、

>生活上で問題行動なく過ごせている

 ぐらいで十分ですよ。特に順位に敏感なイヌが一頭でも混じると神経を使う必要が出て来ますが、そうでなければ、順位があいまいなままのぼやぼやした平和って維持できるんです。尊敬されるリーダーでなくて、「甘い母ちゃん」で大丈夫です。

 一切選ぶことなくイヌらネコやらやってきて同居していますが、隔離したのは10歳ぐらいの典型的ベータ症候群の二十数キロの無去勢のGシェパード芝雑イヌのところへ、長じたら獣医師に入院を断わられるぐらい気の強くなった(というか根性悪の)仔ネコが来た時、同じイヌが14歳ぐらいでますます頑迷なジジイになった頃に仔犬が2匹来た時(これはじいさんがかわいそうだったのと、ウルサイあまりについ強く咬みすぎるのを案じてサークル越しにとどめた)だけ、コントロールが難しいなあと思ったのは順位にやかましい雌ハスキー紀州雑により年配の雌コーギー芝雑が咬まれた時ぐらい。あとは・・・そう、まだ足元のおぼつかない仔ネコは、ヒトが見ていない時にはいちおうイヌとは分ける、ぐらいです。遊んでるつもりでしゃぶっててつい強く咬んじゃうと困るので。

 それ以外には、みんな訳アリ個体ばかりですが、仲良いのはイヌネコ年齢無関係に舐め合ったりくっついて寝たりしますし、そうでない組み合わせでも同じベッドのあっちとこっちで寝る、イヌがネコをまたいで通る、ネコがイヌを飛び超える、ぐらいには平気なものです。

 内気なMダックス2歳、が出発点なら、ビーグル以下ぐらいののんびりした中年の異性(特にMダックスが雄ならこれはわりとよろしいかと)か、ビーグル以下ぐらいで止まりそうな異性の仔犬、ネコならば、特に荒かったり被虐待歴があって臆病とかいうのでないかぎり(これはイヌとの同居云々というより、そもそも最初のネコとしてしは厳しいので)なんでも、場合によったら同腹2匹セットでも、オッケーかと思います。雌雄は無関係です。
 どうせなら寒いうちがいいかと。家の中を薄ら寒くしておくと距離が縮まります。

 逆説的な表現になりますが、こうしてあれこれお考えになっておられるマリンさんなら大丈夫でしょう。
 楽しいですよ〜。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。