獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200401-193

私は「イヌ好き」なんですよ、結局
投稿日 2004年1月20日(火)22時01分 はたの


>マコさん。

>そんなことはする【べき】ではない」と呼び掛けるのもまたアリです。

 これは微妙に違う場合があるんです。
 「私はそんなことをする【べき】ではないと、私は思う。だから私はしない」
 なら同様にアリです。が、
 「そんなことをする【べき】ではないと私は思う。だからそうするヤツを私は嫌う」
 もよろしいですよ。
 「私たちはそんなことをする【べき】ではないと、私は思う。だからアナタもしてはいけない」
 ならば、同じアリではありません。

 日中戦争中。政府が戦線を縮小しようとすると、多くの国民が反対しました。
「私たちは『戦争を支持』するべきだ。なぜなら、『いままでに戦死・戦傷された兵士』に申し訳ないから」
「私たちは『イヌに外では排泄させない』べきだ。なぜなら『イヌの排泄物を不快と思うひとに』申し訳ないから」

 反論しにくい理由であること、自身の責任においてでなく他人を思いやるような擬装をしていること、自分の選択でなく他者の選択を制限しようとしていること。『』の中身が違うだけで【構造】が同じだってこと、お判りでしょうか。
 日中戦争とイヌの排泄では掛け離れていると感じられるかもしれませんが、「アンポハンタイ」に唱和しないと自己批判を迫られる(「非国民!」と「反革命分子!」は向きが違うだけで同じレッテル張りでしょ)、オウム事件、生命の大切さから中絶に反対している人が中絶をしている医師を殺す、動物実験施設を破壊して動物を逃がす、お受験殺人、イヌの「公園デビュー」時にイジワル、差別をされた・・・というように並べてくると、他人事ではないということがお判りいただけましょう。
 
 歴史を省みるかぎり、ファシズムは権力の強制のみによりません。考えずに横だけ見る「いい人」の熱狂に支えられ、しばしば潔癖症と差別・排除と結び付くんです。ユダヤ人の悲劇、関東大震災の時の朝鮮人殺害、教科書にありましたでしょう? あれが「その時、その社会」で通用した「正しいこと」だったのですよ。

 長すぎるとのこと。どこが長すぎるとお感じになったのかぜひお知らせくださいな。メルアドも記しておきましょう。どこは省いても論理の飛躍なしですんだのか、私自身も他者の評価を知りたいですから。
 不快にさせるであろうとご推測なさるところについても。ご自身が不快に感じられたところも加えて下さればなお感謝。
 文体と立論に無関係な表現についてはできるかぎり直すよう心掛けましょう。私の生理リズムによる部分は直すことができませんし、図星で痛いとか、いままで無検証に信じていた常識が揺らぐが不快とかは直すつもりはありませんが。

 ホントは、異ならない意見は交換しても無意味なので、意見交換すれば不快になるのは論理的必然であり、それを覚悟の上で選択して参加しているのにナゼ不快になっちゃいかんのかなと思いますけれどね。
 拙文で誰かが不快になることもあり、誰かの書き込みで私が不快になることもあり、相身互いと思ってますが、無駄な摩擦は減らしてもソンはしないでしょうから。


>aspipapa さん

 パールちゃんのレスを今一度補足しておきましょう。前向きに。
 命題が厳密でないので場合分けをします。


a aspipapa さんが飼っているいまのイヌを完全室内排泄としたい
b aspipapa さんは完全室内排泄のイヌを飼いたい
c aspipapa さんは自分のイヌに外で排泄させたくない


aの場合の選択肢

a−1a aspipapaさんの考えを改める。デメリットはあまりなくコストもかかりませんが否定なさいました。よって却下。
a−1b いまのaspipapaさんの腕で訓練する。成功の見込みは大きくなく、イヌを今以上に萎縮させ、かつ、泌尿器系の健康リスクを招くおそれ大。
a−1c aspipapaさんが訓練の腕をあげてから訓練する。成功の見込み、イヌを萎縮させ、泌尿器系の健康リスクを招くおそれは2bよりは増加/減少すると期待されるが、その程度はaspipapaさんの変化次第。
a−1d プロに頼む。訓練が上手い人に原則24時間住み込んでもらう。成功の見込み大、ふたつのリスク小、ただしお金がかかる、家庭内に他人がいる気苦労というデメリット。

bの場合の選択肢。
〈1a−1b〜1a−2d〉も有効ですが、それに加えて、
・現在のイヌを殺処分し、
b−2a 新たに仔犬を飼って〈1a−2a〜1a−2d〉の方策をその仔犬に適用する。(b−2a−b〜b−2a−d)。成功の見込みとデメリットは〈1a−2a〜1a−2d〉に準じ、が、現在のイヌの処分という経済的真理的コスト、新たなイヌのための経済的コスト要。

b−2b 新たに排泄訓練済みのイヌを飼う。元盲導犬候補とか。成功の見込み大。萎縮、病気のデメリット小。処分/取得コスト要。

cの場合。a、b、の各選択肢に加えて、

c−2 現在のイヌを殺処分し、イヌはもう飼わない。成功の見込み100パーセント、処分コストのみ要。

 aspipapaさん足にトラブルがあるイヌを無理させて競技に出したいとご相談されたことがありますね。CD−nの時にも排泄タイミングの問題をご相談なさいました。イヌを萎縮させていないか自己検証をお勧めしたと思いますが。

 aspipapaさんにとってイヌは何ですか? 自己実現の道具ですか? オモチャですか? 動く縫いぐるみですか?
 aspipapaさんはイヌには、aspipapaさんに都合のいい変化を求めておられる。イヌのためにaspipapaさんご自身が変化するおつもりはないのですか? aspipapaさんにとって世間体は、イヌの健康を脅かし、イヌの切実でつましい生得的な要求を抑圧するに足るほど大切ですか? イヌのささやかな幸せのために代弁しよう、イヌのために世間と戦おうとはお思いにならないのですか? 「アスピ、全世界を敵に回しても、私はおまえの味方だよ」とはお思いにならない?

 イヌの訓練は、手順書どおりにやればうまくいくというものではありません。
 料理に似ています。先生の監督下でならば、材料とレシピがあれば作れるでしょう。が、それを、「料理ができる」と言いますか?
 原理原則が要るんです。原理原則だけでは不十分で実体験もなしではすみませんが、レシピをなぞる体験だけでは不足なんです。レシピとまったく同じ材料でなければ作れない、泣き言をいう、これを料理ができるとは言わないでしょう。原理原則と経験、それによって必要な感覚を掴むこと、が要ります。レシピは参考であって頼り切るものではありませんね。
「排泄の訓練のしかた」どおりにやればイヌはそうなるというものではありません。イヌは、あらかじめ先生の助手が分量通りに揃えておいてくれた材料一式ではありません。遠くの知人から送られて来た馴染みのない食材みたいなものです。
 この食材のレシピありませんか? では腕は上がりません。
 その食材が魚なのか肉なのか野菜なのか、魚/肉/野菜の調理の時には何が基本なのかを原則に立ち返って考え、どんな魚/肉/野菜なのかからその応用を考えなくてはいけないんです。
 そうすれば、排泄の訓練法を教えてほしいと食い下がる必要もありません。
 やりかたを知りたがる程度の腕で、健康障害に繋がりやすい、厳しい排泄トレーニングをやろうというのがそもそも無謀なんです。イヌを萎縮させてしまうaspipapaさんの振る舞いを変えないと、どんなレシピを持ってってもダメくさいんですよ。
 
 アイコンタクト、クリッカー、今回の排泄。
 レシピを集めるだけでは足りません。本腰を入れて、aspipapaさんが変わって、イヌを、aspipapaさんの願望の投影で歪んでいないその本質を、そしてトレーニングは何かを理解なさる必要があります。イヌをこれ以上萎縮させず不幸にさせず、かつaspipapaさんが望む結果を得ようとするならば。
 イヌは都合よく変えたい、自分は変わりたくない、はムシが良すぎます。イヌに皺寄せがいきます。
 どれを優先なさいますか? イヌ? aspipapaさんの自分は変わりたくない気持ち? aspipapaさんの欲望や世間体?

 私ゃ特別ヒト好きではありませんし、aspipapaさんと個人的な繋がりがあるわけでもない。
 私はイヌが好きなんですよ。 aspipapaさんではなく、断然、アスピくんの味方です。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。