獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200401-243

トムリンさんへ
投稿日 2004年1月26日(月)02時03分 パールちゃん

ノアくんがいないこと、多いに関係していると思いますよ。
ノアくんとアトムくんは同じくらいの力関係のようですね。
ノアくんがいないのをいいことにアトムくんはリクくんに対して偉そうな態度を取ったのでしょう。
もしノアくんがいたら「おい、アトム、リクにかまうんじゃない」とノアくんが制御の役をしたかもしれません。

ノアVSアトムの喧嘩でノアくんが降参したのにアトムくんが攻撃をやめなかったこと、
今回、リクくんが降参したのにアトムくんが攻撃をやめなかったこと、
この事実だけを見ると、アトムくんは幼少期に社会化学習がうまくいかなかったのかもしれませんね。
同世代の犬のなかで暮らしてきたけれど、くんずほぐれつの上下関係模擬試験が足りなかったり、
喧嘩ごっこでいつも勝ち役だったり、逆にいつも負け役だったり、
そういうことも社会化学習がうまくいかなかった原因になります。
RUNちゃんは仲裁に入ったというより、最初からアトムくんに加勢するつもりで参戦したのだと思います。
異性に対してはよほどのことがなければ攻撃をしないものですが、
RUNちゃんはリーダーとして新参者のリクくんに警告したかったのでしょう。
「新入りのくせに偉そうにするな」と。

我が家は、上位1位2位(ともにメス)がいつも大乱闘をします。
それよりぐんと格下の3匹(どれもメス)同士では喧嘩をしません。
上位1位2位のほうから格下に喧嘩を売ることはありませんし、
格下組が上位組に反逆することもありません。
ただし、何か異常に群れを興奮させる出来事(たとえばフェンス越しに通りがかりの人が犬たちをからかうなど)があると、
吠えて走り回る混乱に乗じて格下のうちの1匹が全員から総攻撃を受ける喧嘩に発展することがあります。
全員のイライラがいちばん弱い者に向けられるんです。
やられる子は犬たちのなかでいちばんお気楽でむじゃきで脳天気な性格です。
人間から見ると愛すべきお調子者なのですが、犬社会では「あいつ、気にいらねーな」と思われるみたいです。
リクくんにもしそういう要素があるなら充分に気をつけたほうがいいと思います。
これまで人間に甘える機会が少なかった子はほどほどに甘えるということを知りませんから、
犬仲間から見ると「あいつ、ちょっといい気になりすぎ」とねたまれる原因になりますからね。

喧嘩による怪我は、犬歯で皮膚に穴があいて出血しても、じきに出血が治まる程度なら大丈夫です。
噛み裂かれても、表皮だけ2〜3センチくらいの傷なら縫う必要もありません。
けれども、出血量が多かったり、いつまでも血が止まらなかったり、噛み裂かれて肉が露出したり、
これはちょっとひどいぞと思う場合は病院で診てもらうほうがいいでしょう。
また、関節や腱の部位、眼球に傷が及んでいるときも診てもらうほうがいいと思います。
なお、そこまで大怪我をした子を病院へ連れていったときは、帰宅時の再攻撃に要注意です。
「あいつ、どこか連れていってもらった。特別待遇されてるな。ちくしょー」と留守番組は感じていますので。
怪我の看病もさりげなく。熱心に付き添っていると、それもまたねたみの原因になります。
喧嘩後は、勝ったほうに対しては「もうこれでいいでしょ。二度とするなよ」、
負けたほうに対しては「これが実力なんだよ。納得しなさいね」、
飼い主はこういう態度で接したほうがあとあと尾を引きません。

あと、そうそう、大切なこと。
乱闘に分け入るときは指先は丸めてグーの手でね。
パーの手でいくと指をガブリされます。

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