しっぽをおなか側に巻き込んで後ずさりしながら吠えるのは怖いからです。
男の人のことでよほど怖いことがあったのでしょうね。
それが記憶に残っちゃっているんだと思います。
「え? そんなことで?」っていう原因がけっこう多いんです。
たとえば、静かに立っている人が急に両手を広げてニッコリ笑いながら「おいで！」って犬を呼ぶような仕草。
あ、犬好きな人なんだなとほほえましく思える光景ですが、
これをやられると恐怖を感じてパニックになる犬がいます。
大きく両手を広げ、歯を見せ、こちらに向かってくるような仕草を、
犬は��威嚇�≠ﾆ受け取ることがありますから。

さて、真理ちゃんには怖くないよということを時間をかけて根気よく教えてあげましょうね。
散歩中に男の人と出会ったときにママさんの後ろに隠れたり唸ったりしても気にせず、
ママさんはそのまま何事もないかのように自然に歩いてください。
立ち止まったり、「吠えちゃだめよ」などと言うと真理ちゃんはよけいに警戒してしまうので、
歩くペースを変えずにそのまま通り過ぎるようにしてください。
別に怖がる必要はない、なにも起こらない、そう思わせるための練習です。
来客した男性には、すぐに腰を降ろして座ってもらってください。
おおげさな身振りをせず、小さな声で話をし、真理ちゃんと目を合わせないように。
真理ちゃんが吠えたてても無視してください。

何回か会って親しくなれば吠えなくなる真理ちゃんに対しては、
別に怖くないんだと思う機会をたくさん作ってあげることで
吠えなくてもいいんだとわからせてあげることができます。
心の底に固まってしまっている怖さを取り除くのには時間が必要ですから、
あせらず気長に根気よく見守ってあげてくださいね。