ユミさんへ。
なかよくなるかどうかはシェルティーくん次第です。
その鍵は、シェルティーくんが人の言うことをよく聞く子なのか、
人の意思をちゃんと理解する子なのかどうかにかかっています。
もっと簡単に言うと、人の言う「おすわり」や「待て」や「ダメ」をきちんと守れるかどうかです。
どうですか?
それができるのであれば、おチビと会わせてウーッとうなるとき、
「待て」「ダメ」でシェルティーくんをコントロールすることができます。

シェルティーくんがウーッとうなっておチビが近づくと喧嘩みたいになるのは、
<誰だ、おまえ><わけのわからんチビめ><やめろ、こっちへ来るな>です。
シェルティーくんも不安なんです。
だから、その不安を消してあげる必要があります。

最初の、そして当面の方法としていちばん大切なのは、
シェルティーくんの嫉妬心をあおらないことです。
シェルティーくんが見ているところではおチビをオーバーにかわいがらないのがコツ。
対面のときには、シェルティーくん側には家族のなかでいちばんシェルティーくんが好きな人が寄り添ってください。
おチビを抱っこしたりせず床におろしてフリーにして対面させてください。
おチビがシェルティーくんに近づこうとしたときシェルティーくんがウ〜とうなったら、
シェルティーくんの体をグッとおさえて「ダメ」と言ってください。
※この「ダメ」は、こらっ、うなるな！と叱るニュアンスではなく、
　怒らなくていいんだよ、大丈夫だよ、と安心させる優しさを込めてください。
　うなっている間はグッと体をおさえ、
　うなるのをやめたら体をおさえている力をゆるめるのがコツ。

シェルティーくんがうなるのをなかなかやめないときは、
上記の練習を1回あたり10〜15分くらいの短時間にして日に何回か繰り返してください。
シェルティーくんがうならないでいられるようになったら、
もっと近づく、匂いを嗅ぐなどの次の段階に進んでもかまいません。
シェルティーくんが人の言うことをよく聞くのなら、
何日もかけて少しずつ慣れさせるのではなく、一気に近づけてもいいですよ。

誤解のないように付け加えますが、
うなるというのはいけないことではないんですよ。
うなるのは犬の会話法のひとつですからね。
手で突き飛ばしたり、口を大きく開けて噛む真似をしたりするのもいけないことではありません。
それも犬の会話なんです。
なかよくなる過程では、相手の性格をさぐったり、相手の力量を計ったりします。
うなる、突き飛ばす、噛もうとする、それらはコミュニケーションを取るために必要なことなんです。
だから、神経質になってそれらの動きすべてを叱って「ダメ」とは言わないでください。
叱っていいのは悪意をもって激しく噛んだときだけです。
それと、しっぽを振っているから大丈夫だろうとは思わないでくださいね。
犬は攻撃寸前に気持ちが高ぶったときにもしっぽを振りますから、
しっぽの動きだけでは好意をもっているのか悪意をもっているのかの判断はつきません。

人間はバタバタせず、どーんと構えてくださいね。
シェルティーくんを不安にさせないこと、シェルティーくんを悲しませないことが肝心。
今まで以上にシェルティーくんをかわいがってあげてください。
そのうえで「こいつも仲間になったんだよ。よろしく頼むね」という気持ちを
シェルティーくんに理解させてあげてくださいね。