イヌ掲示板過去発言No.1100-200406-46
Re:フィラリア症 |
投稿日 2004年6月16日(水)01時35分 投稿者 パールちゃん
ラブさんへ。 まずフィラリア症になったら≠ニはどういうことなのかをはっきりさせてから話を進めますね。 フィラリア症になる≠ヘ犬の体内に第5期幼虫がいる場合およびすでに成虫になっている場合をいいます。 つまり、通常のフィラリア予防薬(第3期幼虫と第4期幼虫を駆虫するもの)では駆虫できない段階のことです。 さて、フィラリア症になってしまったとき(第5期幼虫がいる場合およびすでに成虫になっている場合)の治療方法は次の4つです。 a.手術で成虫を取り出す b.薬で幼虫と成虫を全滅させる c.薬で幼虫だけを殺す(成虫はそのままにする) d.虫に対しては何もせず、 咳を抑えたり貧血を改善したりする対症療法 どの治療方法を選ぶかは個々の事例と獣医さんの見解、飼い主の要望によりますが、 若くて体力がある犬で、寄生フィラリア成虫の数が少なく、寄生場所が外科手術の適応範囲な場合はaを、 寄生している成虫を殺すとその死骸が血管に詰まって犬の命をおびやかすことが想像される場合はcを、 咳や呼吸困難や腹水・胸水がひどくて手術にも投薬にも耐えられないであろう犬にはdを選択するのが一般的だと思います。 薬で成虫を殺すことは非常に危険なのでbは採用されないことが多いでしょう。 第5期幼虫だけがいる段階なら、命をかけての駆虫をしてそれが成功すれば「はい、もう大丈夫です」となります。 でも、すでに犬の肺動脈や心臓に成虫が寄生したあとでは、たとえそれを手術や投薬で取り除いたとしても血管や心室に傷を残し、それが原因で心臓や肺の機能に後遺症をもたらします。 つまり、犬の体内でフィラリアが成虫になってしまった以上は、「はい、治りました」という日がくることはないのです。 個々の状態と獣医さんの料金設定によって大きく差が出るので治療費については答えられません。 治療方法もいろいろ、治療の難度もいろいろ、入院するかどうか、 それらで費用は大きく変わってきます。 トップページの「動物よくある質問」からフィラリアについてのページに行くことができます。 そちらも合わせてご覧ください。 ↓(一例) |
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