犬初心者さんへ。

その性格こそが四国犬です。
日本犬好きの私は書き込みを読んでゾクゾクするような感動を覚えました。
ほれぼれします。
純血の四国犬は多くはないでしょうが、強く純血の血を引いている子のようですね。
家庭犬としてもちろん大切にしてほしいですが、
四国犬の気質を守り続けるためにもどうぞ大切にしてください。

さて、多くの日本犬がそうですが、なかでも四国犬は警戒心と闘争心が強く、
主と認めた人以外にはなつかないのが特徴です。
山野を駆け回り荒猪や荒鹿と渡り合ってきたのですから、
警戒心と闘争心が強くなければ四国犬は今日まで生き延びてこられませんでした。
また、主一人と犬1匹で何日も何日も山にこもって猟をしてきた犬です。
主との絆の深さは想像を越えるものがあります。
何世代も何世代もそうやって四国犬は生き続けてきたのです。
ペットショップで売買され、誰にでもなつきなさいというほうが無理なのです。
でも、だからといって家庭犬になれないというわけではありません。
人との絆を大切にする気質をうまく伸ばしてあげれば、よき家庭犬になります。

具体的なことを書きましょう。
警戒心をあおらないためには、けして怖い思いをさせないこと。
いきなり手を出したり、背後から驚かせたり、いやがるのに抱きしめたりしてはいけません。
人間はけして警戒する相手ではないということを家族みんなが、そして外で会う人にも徹底してください。
闘争心をあおらないこと。
自分が世界中で一番なんだと思わせないために、我慢することを経験させてください。
家庭のなかでは「待て」「おあずけ」の訓練が基本になります。
外では多くの犬とふれあう機会をもつようにしてください。
そのときは必ず犬の行動を制止できる人が付き添って喧嘩などを防ぐように。
中途半端な体罰は闘争心をあおるだけなので厳禁です。
どうしても体罰が必要なときがいずれあるかもしれません。
そのときは完全に参りましたと思わせるまで打ちのめす必要がありますが、
犬を飼うのが初めてだときっとそこまでは無理だと思います。
中途半端な体罰をするくらいならしないほうがいいです。
女性になつきやすいタイプなら「やさしく言い聞かせる」「話してわからせる」のほうがいいと思います。

ご主人になつくかどうかは時間が解決します。
ご主人は根気よく根気よく、常にやさしく接してください。
ご主人が奥さんにやさしいかどうかも犬はちゃんと見ています。
夫婦喧嘩はタブーですね。

「これは大変だ」と身構えてしまうようなことをいろいろと書きましたが、
一言でまとめると『愛情』です。
大きな愛情で包んであげてください。
犬はその愛情に必ず応えてくれます。

お時間があったら西村寿行の小説「老人と狩りをしない猟犬物語」をぜひ読んでみてください。
西村作品を読むと日本犬のことがとてもよくわかります。