獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200407-88

豆ママさんへ
投稿日 2004年7月27日(火)18時37分 投稿者 パールちゃん

横レスでごめんなさいね。

> 1日中犬を出しておかなくてはならないのでしょうか?

出しておかなくてはならないのではなく、出しておくほうがいいのです。
これってとても大切なことです。
特に豆ちゃんのように生後1ヶ月で親や兄弟たちから引き離されてしまった子は、
親や兄弟たちから学ぶはずだったいろんな経験を何もしていません。
いっしょに暮らす仲間とどういう付き合いをしたらいいかという社会化のお勉強のことです。

何をしたら相手が喜ぶか、何をしたら相手が嫌がるか、
どこまでならワガママを許してもらえるか、ワガママを通すと相手がどんなふうに怒るか、
我慢したほうがいいこと、我慢しなくてもいいこと、
楽しいこと、悲しいこと、腹の立つこと・・・・・・
みんなみんなそういうことを仔犬は生後1〜3ヶ月くらいのときにまず親兄弟から学ぶのです。
親兄弟とそういう経験をしなかった豆ちゃんに対しては豆ママさんが親兄弟の代わりをしなくてはなりません。
なるべくいっしょにいて濃いコミュニケーションをしながら、
くんずほぐれつ体当たりの関係をしたほうがいいのです。
広すぎるケージがあるからいいというわけではありません。
たっぷり遊びの時間を取っているからいいというわけではありません。
空間にも時間にもなるべく隔たりがないほうがいいのです。
ケージに慣れる必要があるというのはもっとあとになってからの問題です。

想像してみてください。仔犬が親兄弟といっしょにいる場面を。
母犬は仔犬を好き勝手に行動させながらも常に見守っています。
近くで遊んでいるならいいのですが危ないところへ行こうとしたら軽く噛んで引き戻します。
仔犬同士が激しく噛みあって遊んでいても最初は知らん顔をしています。
でも、片方の子がキャンキャン鳴いて「もうやめて」と言っているのにもう片方が噛み続けたら、
「いいかげんにしなさい」と叱りにいきます。
すべてにおいて加減≠教えているのです。
兄弟同士もそうです。
どこまでしつこくしたら相手が嫌がるか、どこまで噛んだら相手が痛がるか、
それもすべて加減≠ネのです。

豆ちゃんを抱っこしたいと書いていましたよね。
やんちゃ盛りはなかなかじっとしていません。
まして抱っこの気持ちよさをまだ知らないうちは「やだよー、やだよー」と噛んでくるのは当然のことです。
遊んでいるときに無理に抱っこするのではなく、遊び疲れたときに抱っこしてみてください。
まずは抱っこではなく、人と体をくっつけていられることの練習をしてみてください。

仔犬が人を噛むのは「好きだよ、幸せだよ」のサインです。
言葉をしゃべる代わりに仔犬は歯で気持ちを伝えます。
噛ませることは甘やかすことではありません。
噛ませることは仔犬の気持ちをわかってあげることです。
「我慢しながら遊んでいる」なんて思わないでください。
自由に噛ませて、噛まれて痛かったら思ったまま「痛いっ!」と言えばいいんです。
それを繰り返せば仔犬は噛む加減を覚えます。
親兄弟の代わりをするということはそういうことなんです。

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