コロ助さんへ。
弟さんが犬に対してどんな態度をとるかで状況は違ってきます。
��犬が嫌い�≠ﾆいう理由から高圧的・攻撃的な態度をとれば犬は吠えて立ち向かっていくでしょう。
犬にしてみれば、自分を嫌う人と同居することは今ある幸せを奪う人です。自分の幸せ、つまりかわいがられて暮らしてきた生活を守るため、犬は自分を嫌う人を追い出したくなります。
人間同士の関係をまず想像してみてください。
どうしてもなかよくできない父と息子がいたとします。兄と弟でもいいです。
顔を合わせるたびに「俺はお前が嫌いなんだ」と言うとします。
その家に波風立たせないためにはどうしたらいいでしょうか。
話し合って和解する・まったく顔を合わせないようにする・どちらかが出ていく、このどれかしか方法はありません。
犬嫌いの人が犬のいる家で暮らすのにもこれは当てはまります。
けれど、同じにならない点もあります。
人は家の外に幸せや喜びを求めることができるので、
冷え切った関係同士でもひとつ屋根の下でいっしょに暮らすことができます。
が、犬にとっては家の中がすべてです。
今までの幸せを100とすると、そこに犬嫌いの人が加わることによって幸せは100ではなくなります。
あと、もうひとつわかってください。
犬が吠えるのは、相手が自分に何をするかわからないからです。不安と恐怖から吠えるのです。
弟さんが犬を嫌いなのはしかたないかもしれません。犬を好きになれというのは無理かもしれません。
が、何もしないよという態度を取り続ければ、そのうち犬は吠えなくなります。
コロ助さんが「こらっ、吠えるな、静かにしろ」と叱るのは逆効果です。
それは「いいぞ、もっと吠えろ、もっともっと吠えろ」とけしかけていることになりますから。
吠えている犬のそばを離れ、弟さんに近寄ってください。
弟さんとなかよくしているところを犬に見せれば、「ああ、あの人は怪しい人じゃないんだな」と犬はわかり、吠えなくてもいいことを理解します。