獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200408-94

Re:土佐犬について
投稿日 2004年8月24日(火)13時50分 投稿者 りんママ


届出関係で2点ほど
1.お住まいの地域で、県条例で特定犬種の指定になっていないかご確認をされていますか?
特定犬種の届け出とは、「人に危害を与える恐れのある犬」として県知事が定めた犬のことです。
犬を飼う(預かることも含めて)ことは、飼育管理にも十分配慮を行う必要があります。

2.保護をしていることを、警察署並びに保健所や収容施設への届出はお済みですか?
花火やカミナリで驚いてで迷子になっている可能性もあるわけですね。
飼い主不明の場合には、遺失物となりますので、警察への届出から半年間は所有権が移動しません。

土佐犬は明治時代に、高知県で地犬とマスチフやブルドックなどを交配させ、闘犬を目的に人為的に作り出された犬であることはご存じと思います。
土佐犬の知識が欲しいのであれば、土佐犬専門犬舎の方に直接聞かれアドバイスを頂くことが賢明かと思います。

ここから、厳しいことを申し上げますが、
文面から、安易な感じが致しますが、保護をする事はその子の命を預かるということです。飼い主が現れ無かった場合に終生飼養をするということになります。

>私の所には他に自分の犬5匹がいる為、あるていどの躾など出来ますが、土佐犬は未知の世界。

犬のしつけでご相談をされる方の多くが、「ある程度できます。」と仰る方が多いのですが、お答えする側は、ご相談される方のスキルや事情は何一つ判りません。

ですから、ある程度とは、どの程度なのでしょう?

犬のしつけは犬種特性はありますが、基本は同じです。
土佐犬だから、チワワやダックスだから、しつけ方が変わるということはありません。
飼い主が犬のボスとなり、甘やかさず、愛情を注いで飼育することです。

犬は本来の気質と飼育環境によって性格が形成されますが、穏和な子もいれば、臆病な子もいます。
子犬の時に母犬や兄弟とどのくらい接しているか、また社会化期に犬としての教育が上手く出来ているか?でも異なってきます。

ただ、土佐犬に限らず、成犬を保護した場合には、その子がどのような環境で飼育をされていたのか判りません。
こちらは、何でもない行為でも犬にとって過去の経験から驚異を感じることに繋がれば、恐怖から攻撃や反撃をするかもしれません。

ですから、双方に信頼関係が築けるまでは、犬を甘やかさず、そして十分に愛情をかけるひつようがあります。
その為には、人側の都合を犬に押しつけるのではなく、折り合いを付けれる所は人側が折れる。と言うことも肝要です。

「吠えるなどの問題行動」は、犬に問題があるのではなく、飼い主側に問題が存在するケースが多いのです。
吠えるのを止めさせたいではなく、何故吠えるのかまず原因を探されたのでしょうか?
吠える原因は、必ずあります。犬はむやみに吠えませんから。
今、行われている事などは犬が安住の場として感じていない環境においては、犬にとって嫌なことを貴方からされることでストレスを感じる方が多いのではないかと思います。
イケナイと理解させて「叱る」のであれば犬も納得しますが、理解出来ないで「怒られる」のは犬にとっては理不尽な行為をされているからです。

ですから、1週間程度で保護犬とお互いの信頼関係が出来ると言うことはないです。
犬がここにいて良いのだと思えるような環境を作ることが重要かと思います。

信頼関係が出来るまでは、何事にも気を緩めないことです。
人間側の気の緩みや過信から引き起こされます。

先月も岐阜県で土佐犬の咬傷事故がありました。
犬の過去が判らない状態ですから、アドバイスの方法がないのです。
飼育に自信が無い場合は、犬の行動学の専門訓練士あるいは専門獣医師へご相談をされることが望ましいと感じます。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。