イヌ掲示板過去発言No.1100-200502-145
Re:心臓病の薬と納豆 |
投稿日 2005年2月27日(日)01時55分 投稿者 パールちゃん
みーさんへ。 ワーファリンは血液の中の血栓を凝固させる作用があるのに対し、納豆に含まれるナットウキナーゼは血栓を溶解する作用がある、これは相反作用です。薬を飲んでいるのに薬を効かなくさせるものを食べてしまうということですね。つまり、薬を飲んでいる意味がないということです。 で、フォルテコールは血液そのものに働きかける薬ではなく、心臓の血管を広げる作用の薬です。 なので、フォルテコールと納豆の食べ合わせには、ワーファリンと納豆の食べ合わせのような相反作用はありません。 しかし、だからといってどんどん納豆(ナットウキナーゼ)を与えてもいいかというと問題があります。 心臓の血管が広がるということはそこをスイスイ血液が流れるということです。これは一見するととてもいいことのように思えますが、あまりにもスイスイ血液が流れると血圧が下がります。そして、ナットウキナーゼによって血液がサラサラになるとますます血圧が下がります。つまり、異常な低血圧を引き起こす恐れがあります。 塩分の取り過ぎや高脂肪食などによる高血圧の恐ろしさばかりが取り上げられることが多いけれど、実は低血圧も問題です。 低血圧になると、元気が出ない、動きたくない、動けない、食欲もない、体内バランスがくずれる等々のことが起こりますし、起立性低血圧では突然倒れるという事態も招きます。 ですので、フォルテコールと納豆の食べ合わせには相反作用はないが病的な低血圧を起こすかもしれない増幅作用がある、そう思っておくほうがいいでしょうね。 あと、個人的な意見ですが、ナットウキナーゼを摂取させれば骨折の予後がよいかどうかは疑問に思います。創外固定中ならまず患部を動かさないこと、これに尽きると思います。自然の治癒力はすごいもので、動かしさえしなければ骨折部の骨の再形成は想像以上に早いものです。いえ、多少動かしてしまっても大丈夫です。激しい運動を避けていれば骨はくっつきます。 犬ではなく猫ですが、我が家の猫が以前カカトを骨折しました。プレートを入れました。しかし、悲しいかな、人間のように「治るまでじっとしていよう」とは動物は思ってくれません。動いてしまいます。と、異物であるプレートがかえって骨の再形成の邪魔をします。うちの猫は縫った皮膚が破れてプレートが見えていても平気でジャンプしてましたので、感染症の心配もあり、「えーい、取っちゃえ」と獣医さんはプレートを取り外しました。あとはギプスもせずそのまま。そして自然治癒しました。 治るまでの間、私もみーさんと同じように「何か骨にいい食べ物ないかな。早く骨がくっつくような食べ物ないかな」と思いましたが、何をやっても気休めのような気がして特に○○を食べさせるとか、狭いところでじっとさせておくとかはなんにもしませんでした。痛ければ動かないだろうし、動いているなら自然に治るさ、、くらいの気持ちでした。 こんな例もあるという意味で書きましたので参考にはならないかもしれませんが、プレートがだめなら創外固定、創外固定がだめならもうなにもしない、完全にポッキリ折れていてブラブラしてるとか、折れた骨が皮膚を傷つけて感染症の恐れがあるとかでないなら、自然治癒という方法も選択肢としてあることを獣医さんとよく相談してくださいね。 |
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