獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200503-57

Re:授乳中の母イヌの状態について
投稿日 2005年3月17日(木)10時50分 投稿者 りんママ

体温が上がりすぎている状態だと思います。

この時期の母イヌは子犬から目を離しませんし、仔犬も体温調節がまだ上手くできません。
仔犬が母イヌや兄弟姉妹にくっつくいて寝ているのは体温を逃がさない為でもあります。
自分たちで温度調節が出来る環境を作ってあげください。
飼育室内に毛布などをいれるだけで室内であれば十分でしょう。

イヌは寒さに強く、暑さと湿気に弱い動物です。
これは、イヌの体には私達ヒトと違って皮膚に汗腺がありませんので、汗をかいて体温を下げるという事が出来ないからです。
ストーブやヒーターが好きな子は、体が熱くなっても離れようとしない子も多いです。

イヌの平熱は38〜39度程ですが、体温が40度を超えてしまうと熱中症(熱射病・日射病)になってしまいます。
夏には外気温も高いから飼い主も気をつけますが、冬は、暖房機やほんの短い買い物と庫内に残すなど飼い主のちょっとした油断から起こします。

イヌは、散歩や興奮したりストーブの前などで体温が急激に上がったら、熱を逃がす為に足の裏に汗をかいたり、ハアハアと口呼吸(パンティング)して体温を下げようとするのです。

特に、パグ、シーズー、フレンチブルドック、ボストンテリアなど鼻ぺちゃ(短頭種=短吻種)のイヌは体の構造などもあって柴犬などに口吻のあるイヌ比べて上手く呼吸で空気を体内に取り込み難く熱射病にもなりやすいです。

肥満したイヌは体内の脂肪によって気管や胸や肺が狭くなっていたり、脂肪がある為に体温調節が上手くできない為になりやすいです。

いびきをかいて寝ているイヌは、呼吸器系が上手く機能していない可能性(軟口蓋過長、鼻腔狹窄)もありますので普段から気を配ってあげてくださいね。

授乳期には仔犬の数にもよりますが、維持期のカロリーの2〜3倍の食餌を増やす必要があります。出来れば、一日1食ではなく何回かに分けて食べさせてあげてください。
ライフステージ別のドックフードもありますので利用をされると良いでしょう。

いつもと様子がおかしいと思ったら獣医さんに相談してください。

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