獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200504-22

予防薬とワクチン接種について
投稿日 2005年4月5日(火)13時42分 投稿者 りんママ

気を付けて頂きたいことなど、ご参考まで

【投薬や接種時期の体調】
体調が悪い(元気がない、嘔吐、下痢、発熱などがある)時には、獣医さんに相談をして予防注射も投薬も延期しましょう。

【犬種や年齢によって】
含まれる成分でアナフィラキシー/アナフィラキシー様症状(副反応、副作用、アレルギーとも言います)を起こしやすい製剤があります。
例えば、フィラリア症などの駆虫薬などでイベルメクチン(成分)の投与は、コリー、シェルティーなどシープドック犬種には禁忌とされていますので他の有効成分の予防薬を使うことになります。

アナフィラキシー症状が出た場合は獣医さんとよく相談をして、翌月/翌年のワクチンの種類やお薬の種類を変えるなどしましょう。
 #混合ワクチンは、薬会社によって製法が変わります。


【狂犬病予防注射と各種混合ワクチン】
特に、4月〜6月にかけて狂犬病予防注射と各種混合ワクチンの接種が重なる場合には注意をしてください。 #フィラリア症予防注射が再販されるようになった場合にも以下の注意が必要です。
1.狂犬病予防注射と他のワクチンとの同時投与は避けること。
2.狂犬病予防注射前に、生ワクチンを投与している場合は、投与後1ヶ月以上の間隔をあけてること。
3.狂犬病予防注射前に、不活化ワクチンを投与している場合は、投与後1週間以上の間隔をあけること。
4.狂犬病予防注射後、他のワクチンを投与する場合には、1週間以上の間隔をあけること。

混合ワクチンや狂犬病予防注射の接種が同時期接種になり犬が死亡したケースもあります。
飼い主の不手際で不幸な事故を起こさない為に、犬のワクチンスケジュールはご家族で話し合って決めると良いと思います。

【フィラリア症予防薬とノミ・ダニ駆虫剤】
フィラリア症予防薬成分として、体内外寄生虫駆除薬が成分として含まれるタイプがあります。
含まれる成分によっては過剰投与になったり禁忌使用の危険がありますので注意が必要です。

【成犬のワクチンなどスケジュール】
1.狂犬病予防注射 (年1回)・・・ウイルス感染
2.混合ワクチン(単味〜9種)注射 (年1回、必要に応じて単味ワクチンを追加)
  ウイルス感染
    ・犬ジステンパー
    ・パルボウイルス感染症
    ・犬アデノウイルス1型(伝染性肝炎)
    ・犬アデノウイルス2型
    ・犬パラインフルエンザ
    ・犬コロナウイルス感染病
  細菌感染
    ・レプトスピラ感染症カニコーラ型
    ・レプトスピラ感染症黄疸出血型
    ・レプトスピラ感染症ヘブドマディス型
3.フィラリア症予防(駆虫)薬 (毎月1回:内服/外用)
4.フィラリア症予防(駆虫)注射(半年ごと)
   #2004/9販売中止、2005年販売再開予定(?)
5.その他寄生虫駆虫薬(必要に応じて) 
 
この中で法律で決められているのは、狂犬病予防注射だけです。
生後90日を過ぎた犬で、病気などがあり獣医師の判断で接種を猶予をする以外の飼い犬全てに接種が義務付けられています。
多くの地域では、4月〜6月に行政が行う集団接種があります。
秋に再度集団接種を行う地域もありますが、狂犬病予防注射は動物病院でも接種することが出来ます。

感染した時に特効薬(治療薬)がないから病気に感染をさせないように免疫をつけて予防をするのですが、予防しているから100%感染しないということではありません。
接種後のシャンプーや過激な運動は控えましょう。
犬の体調やストレスなどから十分な免疫効果が現れないこともあります。
アナフィラキシー症状もすぐに現れる場合(重篤)と2〜3日して現れる場合(比較的軽症)がありますので犬の様子には注意をして下さい。

接種後いつもと様子が違うな?と思えば迷わず動物病院に連絡をしましょう。

私は、混合ワクチンや狂犬病予防接種した後、約30分間は病院近辺で犬の様子を見ています。

フィラリア症やワクチンについては以下をご参考下さい
PC用 http://www.vets.ne.jp/faq.html
携帯 http://www.vets.ne.jp/faq/i/index.html

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