あこさんへ。
お母さん犬じゃなくてお父さん犬だったんですね。ごめんなさい。

吠えるのに犬を見つけると向かって行きたがるのは怖さの裏返しです。
「やられるまえにやってやる」という強がりです。
そんなときリードを強くグイッグイッと引っぱってしまうと犬はますます張りきって吠えます。
グイッは「よし、いいぞ、もっと吠えろ、もっともっと吠えろ」の合図になってしまいます。
馬にムチを入れてがんばらせるのと同じことになってしまうんです。
犬がどんなに吠えても飼い主は犬のほうを見ず、進む方向に目をやったまま歩き続けてください。
相手の犬のほうに向かっていこうとしても意にせずに飼い主は一定の速度で歩き続けるのがコツです。つまり、犬は飼い主の歩く速度に合わせてズルズルズルとリードごと引きづられることになります。
自分が一生懸命吠えているのに飼い主はまったく反応してくれないし、何もなかったかのように散歩を続けようとしている、「え? あいつに吠えなくていいの?」と犬はキョトンとします。そしてリードを通じて犬は飼い主の気持ちを感じます。「吠えることはないんだよ、さ、行こう」という飼い主の気持ちを。